熊本県で最大震度7を観測した地震を受け、県は21市町村に避難所の設置などにかかる費用を国と県が支出する「災害救助法」の適用を決定した。
各地で甚大な被害が確認される中、被災者の当面の生活と今後の再建を支える公的な仕組みが動き出している。その中核となるのが、住宅に著しい被害を受けた世帯に対し、最大300万円の支援金を支給する「被災者生活再建支援法」だ。平成28年(2016年)熊本地震では熊本県全域に適用されており、今回の令和8年熊本地震でも適用対象となる可能性がある。
住宅被害に応じ「最大300万円」を支給
被災者生活再建支援法は、自然災害で住宅が損壊した世帯に対し、都道府県が拠出した基金から支援金を支給する制度である。
本制度は、原則として災害救助法の適用が決まった自治体や、「市町村内で10世帯以上の住宅全壊被害」が発生していることなどで適用される。
支援金の支給額は、住宅の被害程度に応じた「基礎支援金」と、再建方法に応じた「加算支援金」の2段構えの構造となっている。
住宅が全壊判定を受け、新たに家を建設・購入して再建する場合、合計で最大300万円を受け取ることができる。ただし、世帯人数が1人の単身世帯は、支給額が原則として各項目の4分の3に減額される点に注意したい。
受給の鍵を握る「罹災証明書」と「申請期限」
支援金を受け取るためには、自治体が発行する「罹災(りさい)証明書」が必要となる。
参考:被災後の“公的支援”利用する全ての人に必須「罹災証明書」とは? 申請する際のポイント
罹災証明発行時に行われる市町村による調査に基づき、基礎支援金の支給額は以下のように区分される。()内が損害割合。
①全壊(50%以上)/解体/長期避難:100万円
②大規模半壊(40%以上):50万円
③中規模半壊(30%以上):基礎支援金は対象外だが、加算支援金の対象となる
そのうえで、加算支援金は住宅の再建方法に合わせて支給額が異なる。
たとえば、上記①②の場合で、新たに家を建設・購入する場合には、200万円が加算される。基礎支援金とあわせて支給額は300万円になる。
③中規模半壊では、新たに家を建設・購入する場合、加算支援金のみ100万円が支給される。
損害割合が30%を下回る「半壊」以下の判定では、原則として支援金は受けられない。判定に納得がいかない場合は、被災者の立ち会いによる“第2次調査”を依頼できる仕組みがとられる。
また、申請には以下の期限が定められているため注意が必要だ。
- 基礎支援金:災害発生日から13か月以内
- 加算支援金:災害発生日から37か月以内
生活再建への第一歩、専門家への相談も
生活再建を確実にするためには、制度を正しく理解し、期限内に「罹災証明書」を入手して申請を行うことが欠かせない。
被災直後の混乱期には、こうした申請手続きのほか、住宅ローンや借家・借地のトラブルなど、多岐にわたる法律問題が発生する。このような場合に弁護士に相談することが生活再建の強力な一助になる場合もある。
熊本県弁護士会では、今月3日から12日まで、「令和8年熊本地震なんでも無料電話相談」を受け付ける。
- 受付期間:8月3日(月)~8月12日(水)平日
- 受付時間:10時~12時/14時~16時
- 電話番号:096-312-3252(※通話料は必要)
公的支援を確実に受け取り、法的リスクを回避するためにも、専門家の知恵を借りることをためらわないでほしい。

