企業に「産業医」の“辞任・解任”報告を義務付け…8月1日から“改正労働安全衛生規則”が施行

企業に「産業医」の“辞任・解任”報告を義務付け…8月1日から“改正労働安全衛生規則”が施行

8月1日から労働安全衛生規則の改正が施行され、企業(事業場)で選任している産業医が辞任・解任・退任した際の報告が義務化された。

従来、産業医に関しては新たに選任した際の報告が中心だった。今回の改正により、産業医が不在となる状況も含めて把握できる仕組みが整えられ、事業場の健康管理体制について、行政がより正確に把握できるようになる。

辞任から14日以内に新たな産業医を選任する義務

労働安全衛生規則とは、職場における労働者の健康と安全を守るとともに、快適な職場環境を形成するために、厚生労働省が定めた省令のこと。労働安全衛生法や同法施行令を施行するための具体的な事項が定められている。

そして同規則では「常時50人以上の労働者を使用する事業場」に対し、原則として産業医を選任する義務を課している。

選任された産業医は、労働者の健康診断結果に基づく措置や、長時間労働者への面談指導、ストレスチェックへの関与、健康教育などを通じて、事業場の健康管理を専門的に担うことになる。

労働安全衛生規則では従来から、事業者が産業医を新たに選任した場合にはその氏名や選任年月日などを所轄の労働基準監督署長へ報告することを義務付けていた。

また、産業医の辞任などがあった場合には、当該日から14日以内に新たに産業医を選任することが義務付けられている。

一方で、産業医が辞任・解任・退任した際についての直接的な報告義務は設けられていなかった。

しかし今回の改正により、産業医が離任した際の報告も義務付けられた(13条5項)。これにより行政は、事業場における産業医選任義務の履行状況や健康管理体制をより正確に把握できるようになる。

原則は電子申請だが、当分は書面での報告も可能

厚労省のリーフレットから

報告義務が追加されたことで、事業者は産業医の離任があった場合、その事実を速やかに労働基準監督署へ届け出る必要がある。

具体的には、産業医の辞任・解任・退任が発生した際に、当該産業医の氏名や辞任等の年月日などを遅滞なく報告しなければならない。

報告は原則として電子申請によって行うことが求められている。ただし、当分の間は書面による報告も認める経過措置が設けられており、事業場ごとの申請環境に応じた対応が可能となっている。

また、後任の産業医を選任して「選任報告」を行う際に、前任者の辞任等の情報を併せて記載した場合には、別途の辞任報告を省略できる規定も設けられている。

今回の改正は、単に離任時の報告義務を追加するだけではなく、事業場の健康管理体制を改めて点検する契機ともいえる。事業場には、産業医との連携体制を適切に維持し、労働者の健康確保に向けた安全衛生管理を着実に進めることが求められる。 

配信元: 弁護士JP

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