爆発犠牲者出たイオンテナントめぐりデマ相次ぐ 名指しの企業が次々に否定の声明【熊本地震】

熊本地震後にイオンモール熊本(嘉島町)が爆発した事故で、亡くなったとされたテナントのスタッフ7人について、ネット上でデマが相次いでいる。

福岡の会社も誤情報だと否定

テナントの企業を勝手に決めつけ、根拠のない批判をするケースが多い。名指しされた企業が無関係だと次々に声明を出したほか、誤解して謝罪するジャーナリストもいたほどだ。

入金に戻ったスタッフは、オンワードだとデマ

デマが増えたのは、亡くなったテナントの女性スタッフ(22)が、会社の指示で施設内に戻ったと一部で報じられた2026年7月31日ごろからだ。

地元の熊本放送(RKK)によると、このスタッフは、「金庫にお金を入れないといけないと言われたので戻る」と偶然会った親戚に伝えていたという。これに対し、テナントを運営する会社は、「取材はお断りしている」と同局に答えたとされた。ニュースでは、会社名は伏せられていた。

爆発事故では、アパレル大手「オンワードホールディングス」が前日30日、従業員1人が亡くなったと公式サイトで発表し、さらに、31日には、さらに2人の死亡が確認されたと追加された。

熊本放送のニュースでは、入金に戻ったスタッフはオンワードの3人以外の4人の1人と報じられてはいた。しかし、ネット中では、このスタッフはオンワードだと名指しする投稿が相次ぎ、ジャーナリストの江川紹子さんも、オンワードの従業員であるかのようなX投稿をしていた。

一方、スタッフは、パワーストーンなどを扱うストーンマーケット(福岡市)の従業員ではないかとの情報もネット上で飛び交った。これに対し、同社は8月2日、「一部報道・SNS上の誤情報について」と題するお知らせを出した。そこでは、スタッフは同社従業員ではないと明確に否定している。

実は、このスタッフが勤めていたのは別の雑貨店だった。その運営会社「ハビタ」の幹部2人が同日、スタッフの通夜後にマスコミ各社の取材に応じ、売上金を金庫に移すため、会社側が施設内に戻るよう指示し、付き添った別の女性スタッフ(25)も亡くなったと認めて謝罪した。

とはいえ、それでも、ネット上のデマは、収まるまでになっていない。

災害対策本部・イオン、残り2人のテナント名は「公表していない」

環境コンサルティングなどを手がける同名の会社(神奈川県)が8月3日、「同名の事業者に関する報道について」と題する声明を公式サイトに出した。

そこでは、「名称が同一または類似していることによる誤認から、当社宛てに当該報道に関する連絡が寄せられています」としたうえで、「報道の対象となっている事業者とは別法人です」と強調した。そして、デマに対しては、「記録を保存したうえで、必要に応じて警察その他の関係機関に相談いたします」と警告している。

また、ジャーナリストの江川紹子さんは同日、自らのXを更新して、オンワードの従業員であるかのような投稿の誤りを認め、「勤務先がオンワードと誤解したまま数日前に行ったポストは削除しました。申し訳ありませんでした」と謝罪した。

とはいえ、現在でも、今回の死者7人のうち、テナント名が報じられていない残りの2人についても、ネット上でデマとみられるような投稿が続いている。

7人については、今のところマスコミ各社の報道で知られる程度だ。

熊本県警と共同で発信している同県の災害対策本部の広報班は3日、J-CASTニュースの取材に対し、情報収集中で確認が取れていないため、死者についての詳細は公表していないと取材に答えた。テナント名についても、個人情報でもあり、公表予定はなく、なぜ施設内に戻ったのかなどについても、民間企業の内部情報は明らかにしていないと話した。

イオンの広報担当者も同日、遺族への配慮もあって、テナント名などは公表していないと取材に答えた。死者が出た原因については、調査を進めているとし、発表すべきことがあればそうしたいと説明している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

配信元: J-CASTニュース

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