◆打球方向割合から紐解く「大谷の調子」
また、大谷は引っ張る意識が強くなっているのか、レギュラーシーズンに比べると、1.5倍以上の頻度で打球が右方向へ飛んでいる。【大谷翔平の打球方向割合、2025年】
打球方向:左 / 中 / 右
レギュラーシーズン:19.0%/37.8%/43.2%
ポストシーズン:22.2%/11.1%/66.7%
PSは8試合のみのため、統計を取るにはサンプルが少ないものの、3本に2本が右方向への打球。左方向に飛んだ割合はレギュラーシーズンとほぼ変わらないが、センター方向への打球がレギュラーシーズンの3分の1以下という少なさだ。
大谷の打撃の調子を測るバロメーターともいえるセンターから左方向への打球。NLCS第3戦以降に、これが増えていけば、一気に調子を上げてくるだろう。逆に引っ張る意識が強すぎると、復調には時間がかかってしまうかもしれない。
◆大谷の復調が2年連続世界一のカギ
ドジャースは移動日を1日挟み、本拠地ドジャースタジアムで第3戦を迎える。まだ両軍の先発投手は発表されていないが、ブルワーズはおそらくルーキーの剛腕右腕ジェイコブ・ミジオロウスキーか、36歳のベテラン左腕ホセ・キンタナの先発が予想される。大谷は今年7月にミジオロウスキーと対戦したが、その際は3打席で2打数1安打。初打席で130m超えの特大弾をライトスタンドに放ち、怪物ルーキーにメジャーの洗礼を浴びせている。
またキンタナに対しては、通算5打数1安打と抑え込まれているが、唯一の安打が本塁打だった。今季はPSで左腕相手に全く結果を残せていない大谷だが、キンタナは多彩な球種と制球力で勝負する技巧派タイプ。それだけに大谷もサウスポーに苦しむ現状を打破するのに最適の投手といえるかもしれない。
果たして大谷は、自らその打棒を復活させ、いいリズムで先発マウンドに上がることが予想される第4戦を迎えることができるか。チームの2年連続世界一に向けて、打者・大谷の完全復調は欠かせない。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

