川口春奈と板倉滉の「授かり婚」で注目…2024年民法改正で変わった「婚姻200日以内」に生まれた子の“法的地位”とは

川口春奈と板倉滉の「授かり婚」で注目…2024年民法改正で変わった「婚姻200日以内」に生まれた子の“法的地位”とは

女優の川口春奈とサッカーW杯北中米3カ国大会で日本代表の主将を務めた板倉滉が結婚も視野に入れた真剣交際をしていることが報じられたのは、7月18日のこと。「文春オンライン」が第一報を報じ、所属事務所側も交際を認め、各スポーツ紙がそれに続いた。

その時点では、2人の交際期間は約1年で、すでに家族や周囲には結婚の意思を伝えており、早ければ年内にも婚姻届を提出する可能性があると報じられていた。

しかし、その報道から約2週間後の8月2日、川口が自身のインスタグラムで、板倉との連名で結婚と妊娠を報告した。(ライター・中原慶一)

「祝福ムード」の理由は周囲への“気遣いと根回し”

報告内容は以下の通り。

〈この度、私たち板倉滉と川口春奈は結婚しましたことをご報告させていただきます。

また、お腹には私たちの赤ちゃんもいます。
無事に生まれてきてくれることを願いながら
日々穏やかに過ごしていけたらと思います。

共に支え合い、笑顔の絶えない家庭を築いていきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します〉

同日、これを報じた複数の「Yahoo!ニュース」配信記事のコメント欄には、コメントが殺到。結婚を祝福する声と同時に、「お腹に赤ちゃん」がいることには驚きの声もあがっていた。あるワイドショー関係者はこう話す。

「これは所属事務所の巧みさが表れていたと思います。最初に文春の報道を受け、結婚に向けた真剣交際であることを認め、その後、正式に結婚し、“授かり婚”であることを発表。二段階にすることで、世間へのインパクトは弱まる訳です。いずれにせよ、好感度の高い2人なので、世間は祝福ムード一色となりました」

さらにこう続けた。

「川口はニホンモニターの『2026上半期タレントCM起用社数ランキング』で、17社で単独トップの“CM女王”。しかし、クライアントのひとつにサントリーがあり、『「ジャスミン焼酎〈茉莉花〉」』のCMに出演していた。もちろん、アルコール飲料のCMに妊婦の出演はタブーとされます。しかし、『女性自身』はサントリーとの当該契約が7月31日で終了していたと報じました。この話が本当なら、きっちりと仁義を通して、発表したということですよ」(同前)

確かに今回の川口の結婚と妊娠発表は、周囲への冷静な気遣いと根回しがあったからなのか、驚きの声はあれど、祝福の声の方が圧倒的で、あまり雑音は聞こえてこない。

「かつては芸能マスコミでも、『できちゃった婚』は、必要以上に好奇の目で見られたり、あらぬ詮索をされたりしたものです。しかし、最近はそういうことも減ってきました。『デキ婚』という言い方も、『授かり婚』『おめでた婚』に変わってきていますね」

確かにかつては、有名芸能人の「授かり婚」は騒がれやすく、古くは安室奈美恵とSAM(1997年=その後02年に離婚)や木村拓哉と工藤静香(2000年)などの例を覚えている方も多いだろう。ちなみに今年6月には、田中みな実と亀梨和也も結婚を発表し、田中が妊娠していることを公表している。

なお、川口はすでに安定期に入っているともいわれ、体調と相談しながら仕事を続けていくという。

「授かり婚」の法律問題は?

ところで一般に、「授かり婚」の場合、法的に、なんらかの注意しなければならない点があるのだろうか。

川口の場合、「結婚しました」と報告していることから、すでに入籍を済ませていると考えられ、生まれてくる赤ちゃんは、ふたりの新たな戸籍に記載されることになると推測されるのだが、そのあたりは、我々も意外と知らないことが多いかもしれない。

いわゆる「授かり婚」の場合、そうでないケースと比べてどのような違いがあるのか。

法律事務所関係者は「結論からいえば、現在は、扱いは全く変わりません。しかし、以前はいささかややこしい扱いの違いがありました」と説明する。どういうことか。

「以前は、婚姻が成立した日(婚姻届を提出した日)から200日以内に生まれた子は民法上、『推定されない嫡出子』と扱われていました。

『嫡出子』とは、婚姻関係にある男女間で生まれた子のことを指します。

『推定される嫡出子』と『推定されない嫡出子』とでは、主に、夫が『自分の子ではない』と主張した場合の扱いに違いがありました。『推定される嫡出子』の場合は『嫡出否認の訴え』、『推定されない嫡出子』の場合は『親子関係不存在の訴え』によることとされていたのです。

しかし、わが国では、事実婚から法律婚に移行するケースや、うまくいかなかった場合に『バツ』がつくのを避けるため婚姻届を出すのを敢えて遅らせるケースなどもしばしばあります。したがって、『婚姻成立から200日以内』か否かで区別する意味が乏しいと言われていました。そこで、2024年4月1日施行の改正民法によって、婚姻届を出した後に生まれた子はすべて夫の子と推定されるように法改正されました」

婚外で生まれた子の地位は?

一方で、法律婚をしていない男女間に生まれた子について、父との法律上の親子関係を成立させるには、原則として父の「認知」、または認知を求める裁判手続きが必要になる。これには、いわゆる「未婚の母」や「(婚姻届を提出しない)事実婚」といったケースが含まれるだろう。

「認知とは、戸籍上の結婚をしていない男女間に生まれた子を、自分の子であると法的に認めることをいいます。母親に関しては、子は母親の体から生まれてきますから、母親の既婚、未婚に関係なく、母子関係が認められます。したがって、母と子どもとの間には基本的に認知の問題は生じません。認知をするのは父親だけなんです」(同前)

戸籍上の婚姻関係にない男女間で生まれた子は、「非嫡出子(婚外子)」と呼ばれる。非嫡出子は、生まれたときは、母を筆頭者とする母親の戸籍に入ることになる。

そこで認知をすれば、「父」の欄に、父親の名前が記載される。一方、認知をすることによって、父親の戸籍には認知をした子の名前が記載される。これにより、父と法律上の親子関係が成立する。

「父親に認知をさせるメリットとしては、①養育費の請求が可能になる、②子に相続権が認められる、③父親を親権者として定めることができる、などがあります。ただし、『男性側が認めるかどうか』や手続きの煩雑さもあるので、わからないことがあったら、早めに弁護士に相談することをおすすめします」(同前)

余談だが、「授かり婚」を表す言葉として、英語では「ショットガンウエディング(Shotgun wedding)」という俗語がある。呼び方は様々なれど、想定外の事態となった場合は、冷静に対処することが求められそうだ。

いずれにせよ、川口と板倉のビッグカップル誕生を祝福する声はしばらく止みそうにない。幸せな家庭を築いていくことを願うばかりだ。(敬称略)

配信元: 弁護士JP

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