7月に閉会した特別国会では改正皇室典範など政府提出法案64本全てが成立した一方で、「数の力」による国会運営が目立ち、与野党間だけでなく自民党内からも不信の声があがった。2026年8月10日放送の「LIVEプライムニュース」(BSフジ)は特別国会を振り返り、高市流政権運営の舞台裏を探ったが、自民党と官邸の間にすきま風が吹いているという。

急所は「参議院で与党が過半数に達していない」
共同通信編集委員兼論説委員の久江雅彦さんは今の日本の政治に2つのポイントがあると話す。
1つは参議院で与党が過半数に達しない点。「これが急所で、これを中心にすべて動く」と指摘する。もう1つが日本維新の会と自民党が交わした2025年10月の連立合意文書。この2つが今の日本の政治を貫いている、「無下にできない」状況だという。
久江さんは「自民党として持っているカードはざっくりいうと3枚、国民民主党と参政党、もう1つは無所属とか日本保守党とかチームみらいをあわせたもの。その3つのカードを今回の特別国会では組み合わせたり、選択したりしながら使った。再審制度見直しのための改正政治訴訟法は、国民民主党は反対したが参政党は賛成する。自民党からみたらカードがあるので一見有利に見えるが手間がかかる。だから、国民民主党も入れて連立だという考えが底流に流れている」と指摘する。
自民党に「突然、総理の方からいろんな指示が来る」
もう1つ指摘したのが高市首相官邸と自民党との関係だ。久江さんは「突然総理の方からいろんな指示が来たという話は幾度か聞いている。高市さんと接したことのある官僚の人たちが同じように言うのが『できるんですか、できないんですか、どっちなんですか』と結論を求められることだという。これはわかりやすい。でも国会の運営はそれほど単純なものではない。与党の総裁であると同時に日本国の最高責任者としていろんな意見を聞かなければいけない。そこに自民党と高市官邸の間のすきま風を感じた」と振り返った。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)