山陽新幹線・新大阪発博多行の「こだま」が、兵庫県相生市内の相生駅で、乗り遅れた親子が接近したため発車後に緊急停止する事態があったことが分かった。

その様子を撮った動画がSNS上で投稿され、そこには、新幹線の動画を撮っている親子が慌てて駆け寄る様子が映っていた。一体どんな状況があったのか、JR西日本の広報担当に話を聞いた。
駅員が「列車から離れて下さい」と繰り返したが...
母親とみられる若い女性が、スマホで500系車両の動画を撮りながら、息子とみられる男児と一緒に走って行く。
新幹線の出発がアナウンスされたらしい。続いて、ドアも閉まったとみられ、女性は、両手を振って悲鳴を上げる。黄色い線の内側に入ったため、女性駅員が、アナウンスで声を上げる。
「発車します。列車から離れて下さい」
女性は、ドアを叩くような仕草を見せ、男児も、両手を振ってアピールした。それを見た駅員は、「列車から離れて下さい」と繰り返す。
すぐに新幹線は、走り始めたが、親子で走って追い駆ける。なおも、女性は、黄色い線の内側から出なかった。
「列車から離れて下さい、離れて下さい」
駅員は声を上げたが、女性が何か叫びながら駅員近くまで来ると、新幹線は、緊急停止した。
その後、女性は、駅員と話しながら、新幹線車内にも、何か声をかけている。続いて、車内に向かって、男児と2人で深々とお辞儀をした。
女性は、落ち着かない様子で何度も頭を下げる。駅員は、女性に何か説明を始めると、男児が泣きながら離れた。女性は、その後に黄色い線の外側に出て、男児の方へ向かった。
駅員が無線で連絡し、車内にいた車掌が顔を出して、2人で相談している。しばらくして、新幹線は、そのまま出発し、女性らは、ホームに取り残された。
この動画は、2026年8月11日にX上で取り上げられた。写真を撮っていて親子が乗り遅れて騒いでいたと紹介されると、様々な意見が出た。投稿は、ネット上で拡散して、大きな話題になっている。
「特別なルールを運用してしまうと、列車の運行に支障」
動画の内容から、山陽新幹線・相生駅ではないかと指摘され、7月27日に新幹線が緊急停止していたとの目撃情報もいくつか出た。発車してすぐに、叫び声や泣き声が上がり、「すみません、すみません」と駅員らのマイク越しに聞こえたという。列車は、5分遅れで運行を再開したという。
動画は元々、8月8日にTikTok上で投稿されていた。拡散して騒ぎになると、12日のうちに投稿は削除された。
7月27日に相生駅で動画のトラブルが起きたというのは、本当なのだろうか。
JR西日本の広報担当者は8月12日、J-CASTニュースの取材に対し、トラブルがあったのは事実だと明らかにした。
担当者の説明によると、27日の11時27分ごろ、こだまの下り列車が同駅に停車中に、ホーム上で客が写真撮影をしていたが、この客が列車に接近したため、安全確保のため発車後に車掌が列車を緊急停止させた。
この客は、列車に乗り遅れたというが、列車をバックして乗車させるような取り扱いはしていないとした。
「列車は、所定の時間に発車させる取り扱いをしています。お客様は、恐らく列車に乗せてほしいと申し出られたのだと思いますが、特別なルールを運用してしまうと、列車の運行に支障が出てしまいます」
客が列車に接近する行為については、「駅のご案内でも、『近づかないで下さい』とアナウンスしていましたように、列車に触れたりする行為は危険ですので、お止めいただきたいと思っています」と話した。
客の行為で列車の運行に影響が出た場合、警察に通報したり損害賠償を請求したりすることも考えられる。この点については、「社内情報になりますので、お答えすることはできません」とのことだった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)