料理人も通う!女性職人が焼く焼き鳥の名店3選【神楽坂・浅草・湘南台】

料理人も通う!女性職人が焼く焼き鳥の名店3選【神楽坂・浅草・湘南台】

焼き鳥の焼き師といえば、多くの店が男性であることがほとんど。

しかし、少数ながら独自の“焼き鳥”を追求する、女流焼き師の存在も忘れてはならない。

味はもちろん、たおやかな所作や温かいもてなしで、大人たちを魅了している。

1.太陽のごとく明るい女将の行き届いたもてなしに、誰もが自然と笑顔になる 『JIROCHO』@湘南台 湘南台『JIROCHO』の建石亜里子氏 建石さんは焼き師歴26年目のベテラン職人。経験に裏打ちされた焼きの技術はもちろん、朗らかで親しみやすい接客も魅力だ 1本1本計算し尽くされた緻密な味付けと火入れの妙に舌を巻く


両親が営んでいた大衆焼き鳥『次郎長』で、学生の頃から焼き台に立ち家業を手伝っていた店主の建石亜里子さん。

26年前に2代目を襲名し、かねてからやりたかった“地鶏を使った焼き鳥のコース”の店『JIROCHO』にリニューアル。

湘南台『JIROCHO』の調理風景 炭は一段組みで中火の遠火でじっくりと。「ねぎま」は甘みとコクのある塩など部位の特性に合わせて数種類を使い分ける


食材を探し歩く中で出合ったのが、当時は関東では知られていなかった長野の地鶏「信州黄金シャモ」だった。噛むほどに旨みが溢れる肉質に惚れ込み、その味を引き立てるべくタレや調味料を一新。

都内では“強火の近火”で焼く人気店が多いが、建石さんは“中火の遠火”でじっくり丁寧に焼き上げる。

「皮をしっかりと焼く」のが特徴で、クリスピーな“皮パリ”食感とタレ焼きではないのにほの甘い風味が楽しく、その味わいはしなやかで独創的。

名刺代わりの一品「ねぎま」 湘南台『JIROCHO』の「ねぎま」「ささみ」、「手羽先」 右から「ねぎま」は保水して焼き上げ、ねぎにほんのり醤油を塗り香ばしく。ふっくらみずみずしい「ささみ」。肉の旨みをダイレクトに感じる「手羽先」


皮のパリッと感にまず驚く。3日程熟成をかけることで旨みが凝縮。

湘南台『JIROCHO』の「タタキ」


驚くほどジューシーな「タタキ」。

湘南台『JIROCHO』の「レバーパテ」


エアリーな口当たりのレバーパテは、チョコクリームをアクセントに。

すべてコース(¥6,930)より。

湘南台『JIROCHO』で提供している日本酒


日本酒は「新政」をはじめ希少な銘酒をストック。

湘南台『JIROCHO』の内観


「湘南台に旨い焼き鳥店がある」という噂を聞きつけ、都内から足を運ぶ名店の料理人や食通たちがいるのも頷ける、唯一無二の串に出合えるのだ。

2.「おかえりなさい」と微笑む女将の温かなひと言が、日々の疲れを癒やしてくれる 『鳥しづ』@神楽坂 飯田橋『鳥しづ』の岩瀬浩子氏 店主の岩瀬さんは終始笑顔で、こちらまで優しい気持ちに。「素材が良ければガスで十分」と、炭火ではなくガス火で焼き上げる 鶏を知り尽くしたからこその「裏メニュー」に奥深き鶏の世界を知る


老舗の貫禄ある外観は一見すると入りづらいが、引き戸を開けるとにこやかに出迎えてくれる女将の和やかな佇まいに緊張が一蹴される。

店主の岩瀬浩子さんは、神楽坂で100年近く続く鶏肉専門の精肉店の3代目。念願だった焼き鳥店『鳥しづ』を30年前にオープンした。

飯田橋『鳥しづ』の裏メニュー 裏メニューには、一羽に1粒の「脾臓」や「銀皮」「ニクヒゲ」「タン」など珍味ぞろい


「頭のてっぺんから足の先まで」あらゆる部位を扱い、その数約60種。そのうち40種は裏メニューというのもユニークで、中には「トサカ」や「脾臓」といった希少部位も。

「お客さんが驚く顔を見るのが私の楽しみ。食べたらどんな顔をするんだろう?って想像しながら、味を変えたり焼き方を変えてみたり。焼き鳥って本当に奥深くて30年やっていても全然飽きないんです」と笑う。

名刺代わりの一品「ハツ」 飯田橋『鳥しづ』の焼き鳥 「色々な部位を食べてほしい」と小ぶりなサイズ。大山鶏の他、地鶏も扱う。各¥390


半分に開かず、丸のまま串に刺して提供。肉汁が口の中に溢れ出す。

〆に雑煮が珍しい! 飯田橋『鳥しづ』の「鶏雑煮」 鶏だしベースの「鶏雑煮」(¥580)は〆に人気


ひと通り串を楽しんだあとは、「鶏雑煮」の“おふくろの味”にほっこり癒やされる〆を満喫。

飯田橋『鳥しづ』の外観


女店主の優しさがこもった味と空間に、思わず「ただいま」と帰りたくなる。

3.焼き台に向かう凛とした横顔。実直で無駄のない所作に、レベルの高さを確信する 『ちゃこーる』@浅草 浅草『ちゃこーる』の高橋久子氏 鶏肉店の大将に鶏の捌き方を、『焼鳥 今井』の今井充史さんにレバーの火入れなどのヒントをもらい、独学で技術を身につけた “フレンチ焼き鳥”の美学が宿る逸品をワイン片手に楽しめる


店主の高橋久子さんが焼き台に立ったきっかけは、独立前に働いていた『萬鳥』で焼き手を任されたことが始まり。

『萬鳥』は浅草のビストロ『ラ・シェーブル』が手掛けたフレンチ焼き鳥の店で、“焼き鳥にワイン”を合わせた元祖とも呼べる一軒。同店で13年焼き師として活躍し、2013年に独立した。

前身のイズムを継承した焼き鳥には、大山鶏と薩摩の銘柄鶏を使用。正肉などは塊で焼いて、休ませながらじっくりと火入れする。

浅草『ちゃこーる』の「ねぎ間」「つくね」の他、チーズを散らした「トマト」や「芽キャベツ」 「ねぎ間」「つくね」の他、チーズを散らした「トマト」や「芽キャベツ」など野菜も豊富。1本¥300~


「女性が食べやすいように」と硬めの肉は提供前に串から緩め、外しやすいようひと手間加えたり、シェアする客には串を抜いてサーブしたりと、繊細な目配り気配りが行き届く女性焼き師ゆえの心遣いも嬉しい。

野菜の串が多いのも特徴で、アクセントの自家製タプナードと味わえば、ワインがすいすい進む。

名刺代わりの一品「うずら」 浅草『ちゃこーる』の「うずらの半身焼き」 「うずらの半身焼き」¥1,400


もも肉と胸肉を食べ比べでき、旨みや繊維の違いを体感できる。

浅草『ちゃこーる』の「レバーとフォアグラのパテ」


「レバーとフォアグラのパテ」¥1,400。フレンチの技法で滑らかに仕立てて火入れする。

浅草『ちゃこーる』の外観


フレンチ焼き鳥の源流を感じながら心地良く酔う、観音裏の夜を堪能できる。

▶このほか:焼き鳥通が熱狂する渋谷の隠れ家『とり茶太郎』。14年目も予約困難であり続ける理由

配信元: 東京カレンダー

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