
土地を愛し、土地を重んじ、素晴らしいワインを生み出すことから
「ローヌの帝王」と称される「E.ギガル」。
トップキュヴェに新たなワインが加わった。
未来、いや永遠に家族で継承していくーーその誓いを込めたワインを
“ギガル愛”溢れるソムリエが味わう。
次の世代への継承を祝し、新たなトップキュヴェが誕生

『コート・ロティ ラ・レナルド』CÔTE-RÔTIE LA REYNARDE
品種:シラー100%
※今秋日本発売予定

野坂昭彦氏(左)
「マンダリン オリエンタル 東京」ディレクター オブ ワイン
「ザ・リッツカールトン東京」「K.O.ダイニンググループ 香港」「トゥールダルジャン 東京」を経て現職。第10回「全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝
寺田泰行氏(右)
「水新はなれ 紅」オーナー
「トゥールダルジャン 東京」で10年間の勤務を経て、2018年に独立。13年「HRSサービスコンクール総合部門」優勝
寺田 20年あまりサービスの現場に立ってきましたが、「ラララ三兄弟」「ギガルの三銃士」と称された「E・ギガル」のトップキュヴェ『ラ・ムーリーヌ』『ラ・テュルク』『ラ・ランドンヌ』は、ローヌ・ワインに魅了されたお客さまには憧れの存在でした。今ももちろんそうですし、サービスをする僕らソムリエにとっても特別なワインで、自分が現役の間にまさか4番目が誕生するとは思っていませんでした。だからこそ驚き、とてつもなくワクワクしています。
野坂 初代のエティエンヌ・ギガル氏が少年のころから憧れた畑の名を冠した『ラ・ムーリーヌ』、その息子のマルセル氏が1935年に途絶えていた畑の区画を復活させ、50年後にファーストヴィンテージをリリースした『ラ・テュルク』、3代目のフィリップ氏の誕生を祝い『ラ・ランドンヌ』が、そして、フィリップ氏の双子の息子さんが2010年に誕生したのを祝し『ラ・レナルド』が生まれました。
そして、メゾンを代表する四つの伝統的クリュ(区画)を束ねる象徴として「LALA'S®」という概念を打ち出しました。E・ギガルは、家族が重ねてきた「時間」を大切にし、ワイン造りを未来永劫つないでいくことを見据えている。あらためてそう感じました。

『コート・ロティ ラ・レナルド』CÔTE-RÔTIE LA REYNARDE
品種:シラー100%
※今秋日本発売予定
――『ラ・レナルド』の味わいはいかがでしょうか?
寺田 最初の植樹が15年と、全体としてまだブドウが若いのですが、それを感じさせません。外観はもっと濃い紫色を呈するのかと思いきや、明るく淡く非常に美しい色調です。香りは三つのクリュのワインに比べ華やかさを感じます。黒系でも少し赤に近いような果実の香りがありますが、その奥に白檀のようなスモーキーさが。
これまでの三つのワインにはない新しい印象を受けました。
野坂 私も樹齢の若さから、どちらかというと『ラ・ムーリーヌ』のようなエレガントでフェミニンなスタイルを想像していたのですが、もう少し強さを感じます。果実の凝縮感があり、カシスやブラックチェリー、シラーの特徴である砕いたコショウ、スミレや黒オリーヴのような香りと、非常に複雑で多層的。
口に含むとタンニンはきめ細やかで、酸味とともにストラクチャーのある印象ですが、柔らかさもある。フェミニンなしなやかさとマスキュランな逞しさが混在しているキャラクターだと感じます。
寺田 今回、4銘柄とも2022年ヴィンテージをテイスティングしました。これまでの3銘柄はまだ少し硬いかな?と思ったのですが、『ラ・レナルド』は果実感がありソフトで、今飲んで一番美味しい。それでいて4本の中では最も鉄分を感じ、ミネラル感が強い印象です。このミネラルはこれまでのものにはない特徴のように思います。
野坂 テロワールでしょうね。『ラ・レナルド』は、ワイン名の由来にもなっているレナール川を挟んだ両岸にある二つの地区、コート・ブリュンヌの力強さとコート・ブロンドの優雅さ、両方を持ち合わせたキャラクターと言えます。

「LALA'S ®」
メゾンを代表する伝統的クリュ『ラ・ムーリーヌ』『ラ・テュルク』『ラ・ランドンヌ』に、新たに『ラ・レナルド』が加わり、この四つのクリュを束ねた概念を「LALA'S®」として定義した

守り継承してきたレガシーと未来に続く物語を伝える
――どのようなシチュエーション、料理とのペアリングを思い浮かべましたか?
野坂「LALA'S®」が4世代に受け継がれるレガシーをテーマにしたキュヴェなので、伝統がありながら現代的な解釈を加え進化している料理がイメージできます。鹿肉や鳩、仔牛肉、フォワグラなどさまざまな肉をパイで包んだ「ピティヴィエ」など。これは古典的なフランス料理ですが、最近はソースを軽めにするなど時代に合わせて進化しています。肉の旨味や脂分などさまざまな味わいと、『ラ・レナルド』の多層的な味わいは、ストーリー性も合わせて相性がいいと思います。
寺田 僕はやはり中国料理で合わせたい。干しアワビやフカヒレなど高級な乾物や薬膳食材を数日かけて煮込むスープ「佛跳牆(ファッチューチョン)」と。『ラ・レナルド』が持つ白檀など香木の香りと薬膳とは相性がいいように感じます。このスープも歴史がありながら現代人の味覚や健康志向にフィットし、そういう点でも興味深いペアリングになりそうです。
――あらためてE・ギガルへの思いを語ってください!
寺田 次の世代に継承する時にはまた新しいクリュのワインを手掛け、50年、いや100年、200年、そして永遠に「LALA'S®」は続いていく︱。そこを見据えていることへの尊敬の思いを胸に、これからもE・ギガルを偏愛していきます。(笑)
野坂 素晴らしいワインは、クオリティーはもちろん、背景として語れる「物語」がある。E・ギガルはまさにそうした造り手です。E・ギガルを愛するストーリーテラーとして、歴史と未来へ続く物語を伝えていきたいですね。
text by Asako NAKATSUMI
photographs by Kentaro TAKIOKA
問い合わせ先:㈱ラック・コーポレーション TEL.03-3586-7501

