2026年8月14日 AKB48、歌で繫ぐ20周年の先へ。新公演「夢のポップスター」で見せた東京ドームへの思い 日刊SPA! 8月7日、AKB48が秋葉原のAKB48劇場で新公演「夢のポップスター」をスタートさせた。“歌って踊る”というアイドルの基本を見つめ直し、「歌唱力」をテーマに据えた本公演は、全メンバーを対象とした歌唱力審査によって初日メンバーが選出。初日前にはゲネプロが行われ、新井彩永、久保姫菜乃、倉野尾成美、坂川陽香、髙橋彩音、山内瑞葵、山口結愛、山﨑空の8名が、AKB48の20年の歴史から選ばれた楽曲で綴るステージに立った。 オープニング。カラフルなテーマパークを背景に、ピンクと白の衣装を纏ったメンバーが登場。1曲目「憧れのポップスター」で歌い出しを務めた新井は、憧れの前田敦子のポジションでマイクを握った。MCで新井は、「私は加入前に劇場公演を見てオーディションを受ける決意をしました。この公演からまた夢に向かう一歩になるんだな」と心境を振り返った。その後は、ロックナンバー「Get you!」へ。ギターの音に合わせてステージ上を駆け抜けるようなパフォーマンスで、歌唱力だけでなく表現力の幅を見せつける。 ユニット曲ブロックでは、赤と黒の衣装にチェンジ。「涙の湘南」で歌い出しを任された坂川は「力強く入れるように意識しています。同じ声量で歌ってしまう癖があるので、楽曲や歌詞に合わせて歌い方を工夫しています」と歌唱選抜としてのこだわりを語った。「思い出す度につらくなる」では新井と倉野尾が青いスポットライトの下で背中合わせに歌声を重ね、「君はペガサス」では艶やかな衣装に身を包むなど、衣装も曲調も変化に富んだ展開が続く。ゲネプロ後の取材会で山﨑は「腹から声を出すパワフルさが私の強み。かっこいい曲では自分の良さを出しつつ、感動系の曲では全員で合わせるよう意識しています」とアピールした。また、山内も「秋元先生の歌詞が本当に素晴らしいと改めて感じました。劇場は皆さんとの距離が近いので、歌詞の気持ちを落とし込んで表現したい」と気持ちを語った。 本編ラスト曲。白と黒の衣装に替わったメンバーが、ピンスポットに照らされ客席に手をかざす「あなたがいてくれたから」。新井は、「私自身もゲネプロで涙してしまったくらい思い入れのある楽曲です。皆さんの日常に歌詞が染みて、思わず涙が出るような歌を届けたい」と語った。熊本県出身の倉野尾は令和8年熊本地震で被災した故郷に思いを巡らせて、「先日の歌番組で歌い出しを任された時、それを見たファンの方から『励みになったよ』というコメントをいただきました。自分の歌で誰かの心に刺さっているんだと思ったら幸せです」と話す。長崎県出身の山口も、「不安な気持ちや怖い思いをされている方が、私の歌を聴いて元気をもらえたと思ってもらえたら嬉しいです」と、歌で寄り添う決意を示した。 今回の新公演を漢字一文字で表すなら、「彩」。一人ひとりの個性や歌声で皆さんの心を彩れるような公演にしたいという想いを込めた。髙橋は「あと私の名前、彩る音って書くんです!」と目を輝かせる。久保も「リハーサルから先輩方と一緒にたくさん練習して、多くのことを吸収できました。初日を迎えて終わりではなく、ここからさらにブラッシュアップしていきたい」と成長への意欲をにじませた。 AKB48は、8月19日発売の68枚目シングル「好きish」のMVが公開1か月で940万回再生を突破するなど勢いは上昇中。今のメンバーで東京ドームのステージを目指している。アンコール曲で披露した「やさしさの地図」は、アルバム『1830m(秋葉原から東京ドームまでの距離)』から選ばれた。曲前の新井の台詞やLED演出にも東京ドームをイメージした演出も盛り込まれた。「いい波が来ていると思う」と手応えを語る倉野尾は、「20周年で得た分、21年目が大事だと思っていた。年末の歌番組や紅白を目指せるような世間のポップスターになりたい。そして、20周年を乗り越えたメンバー全員で東京ドームのステージに立てるように、新公演から勢いをつけていきたいです!」と力強く宣言した。 20周年を経て、アイドルの原点に立ち返ったAKB48の新たな物語を楽しみにしたい。 取材・文/吉岡 俊 撮影/箕野就介 ―[AKB48]―