し、支店長!?…元部下が驚いたAさんの姿
そんなある日、元部下が営業車でそのガソリンスタンドに給油に立ち寄りました。汗だくで洗車する元支店長の姿を見て「し、支店長!?」と驚きます。
当の本人はいたって冷静で「悪くないよこの仕事。体を動かすから運動になって健康にもいいし、なにより飯が美味い」と満足気。
「ありがとうございました、お気をつけて!」
満面の笑みで元部下を送り出したAさんは、元支店長という余計なプライドは微塵も残っていない、ガソリンスタンドの従業員に変身していたのです。
人生100年時代…65歳以上の就業者数および就業率は上昇傾向
セカンドキャリアとしてガソリンスタンドを選んだAさんは、60歳で再就職してから、かれこれ4年間働いています。また、Aさんは「体が動く限りは続けたい」と、このまま70歳まで働くことにも前向きです。
内閣府「令和7年版高齢社会白書(概要版)」によると、図表のように「65~69歳」の就業者数は390万人、年齢層の人口に占める割合は53.6%と、半数以上の方が働いています。
[図表]高齢者の年齢階級別、就業者数及び就業率の推移出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書(概要版)」より引用
もしもAさんがあのまま60歳で完全リタイアしていた場合、65歳までの5年間は家計収入が途絶えていました。さらにAさんは国民健康保険料を、Bさんも国民健康保険料と国民年金保険料(60歳まで)も納付するため、家計はかなり苦しくなっていたことでしょう。
