薄着になるこの季節は、本能まで開放したくなる。
だから、いつもより少しだけ大胆になって、見知らぬ誰かと出会ってみるのもいいかもしれない。
東京の洒落た立ち飲みには、ひと夏のドラマが待っている。
外苑西通りに面したビルの1階が同店。最終入店が深夜2時で営業は3時まで。終電を気にしないアッパー層が多いから治安がいいのも嬉しい
「青山な大人」が次々と立ち寄るこの店は、洗練と余裕に満ちている!
外苑西通りには感度の高い店が多いが、青山通りを境にして南と北では空気ががらりと変わる。
南側は西麻布の艶やかさを纏い、北側は青山の洗練された空気が漂う。その北側の気品を象徴する最新店が『JIBI』だ。
店内はカウンターのほか、壁側に小さなテーブルスペースがある。偶然居合わせた感性の似た客同士で情報交換が行われるシーンも
外苑前の人気イタリアン『malca』系列店で、上質さはそのままに立ち飲みの気軽さを体現。
さらなる魅力が、アパレルや美容関係、アート系のクリエイターなど、この土地らしいセンスのいい客筋と、店主の安齋健志さん率いる気さくなスタッフたちとの一体感だ。
自社ワイン「Maison AKI」のカジュアルライン「JIBI」は白・ロゼ・泡から選べる。スルスルと喉を通り気軽に飲めて、どんな料理も受け止める味わい。グラス¥1,400
ボトルを開けてはスタッフに「一杯どうぞ」と飲み方もスマート。
この調和の取れた絶妙な距離感が、自然な会話のきっかけを生み出す所以。
バターと生クリームでシンプルに仕上げた「明太子パスタ」(¥2,000)はワインのアテにいい
閉じた艶やかさではなく洗練された軽やかさがあるからこそ、誰もが肩肘を張らずにオープンになれるのだ。
2.「知っている」人だけが辿り着く。桜丘町の隠れ家酒場で知的な人々とともに語らう
『マンデガン』@渋谷
東急セルリアンタワーの裏手に立つ古いビルの2階に潜む
2階への階段を上るだけであの『高太郎』の味がある。この特別感が堪らない
渋谷の奥の路地で、品のいい大人が吸い込まれていく。目的地は名酒場『高太郎』の2階に佇む姉妹店の『マンデガン』だ。
栗の木の板を重ねたカウンターは奥が向かい合わせになる造りに。女将とのおしゃべりもここでのお楽しみ
ここは心地いい熱気と、どこか知的なプライベート感が同居する大人の社交場。
近隣の「さくらホール」で落語や舞台を堪能したばかりの文化度の高い客や、渋谷のカルチャーを牽引する芸術家たちが、余韻を抱えたままふらりと暖簾をくぐるのだ。
女将の三浦裕子さんは『高太郎』のスタッフで、2週間交代でカウンターに立つ。人懐こい笑顔と柔らかな接客が評判だ。ワインはグラス¥1,200~
特徴的なのが、誰もが綺麗に酒を飲む術を知っていること。例えばグラスを片手に舞台の感想を熱く語り合うふたり。
その隣では、ひとりで訪れた常連客が女将との会話を肴に名物のポテサラをつまんでいる。
「高太郎のポテサラ」(¥400)は、燻製たまごを混ぜ合わせ全体に薫香を纏わせるのが店の流儀
文化を愛する大人たちのよりどころで、お互いの感性を心地良く刺激し合いながらお酒を嗜む。
この自由で贅沢な大人の立ち飲み酒場に、私たちは無性に心惹かれてしまう。
3.蒲田の外れに突如現れたサン・セバスチャンが大賑わい!そんな熱気を浴びにいく
『lober』@蒲田
大衆酒場がひしめく繁華街を抜けた先に現れる洒脱なスペインバル。広い道路に面しているため、賑わい時は外まで客が溢れだす
溢れる人々でまさに異世界!洒落たピンチョス片手に100種のシードルで飲み明かす
夕暮れ時、開店と同時にあっという間に店内は満卓。
仕事帰りのいい解放感を纏った大人たちが、カウンターにずらりと並ぶピンチョスの百花繚乱に心を躍らせる。
スペインや各国のシードルを用意。グラスは8種あり、1杯だけの立ち寄りもOKでハシゴ酒や0次会にも重宝する。グラス¥800~
『lober』は、サン・セバスチャンのバル街に魅せられた店主の上田光嗣さんが、その味と雰囲気を再現したピンチョスとシードルの店。
ショーケースに約20種並ぶカラフルなピンチョスは、写真に収めたくなる可愛さ。オーダー式の20種と合わせて、気分により個性豊かな味わいから選べる。ピンチョス¥450~、オーダー式ピンチョス¥700~
ピンチョスは約40種あり、バスク地方に伝わるレシピや、北部の海に面する街・ビルバオのバルメニューをオマージュしたものまで、充実ぶりに高揚が止まらない。
夏の夜風が気持ちいい外のカウンター席
さらに夜が深まるにつれどんどん活気づき、カップルや愛犬を連れた地元客も引き寄せられる。
蒲田にいることを忘れバスクの街角で美食旅を楽しんでいるかのような、どこまでも陽気でドラマチックな夏の夜が続いていく。
4.恵比寿南の静けさを破る最高に高揚感のある夜に、身を投じてみるのもいい
『中華酒菜ルポンサンク』@恵比寿
恵比寿南の一角にある店舗は、5坪の空間に最大25人入店したことも。賑やかな雰囲気に足が吸い寄せられる。フレンドリーなスタッフの接客も楽しい
気取る必要はもはやない。ジョッキ片手に乾杯が飛び交い、ここではみんな飲み友になる
表まで人が溢れ返る大盛況ぶりが店の目印。
スタートアップのIT女子やメディア、芸能事務所関係者まで、わずか5坪の空間の少しの隙間を見つけては客が続々と押し寄せる。
低温調理でしっとり仕上げた「本格よだれ鶏」(¥759)はさっぱりダレが評判
ここ『中華酒菜ルポンサンク』は、中華にフレンチのエッセンスを掛け合わせた“中華ビストロ料理”と、レモンサワーとオレンジワインを楽しめる立ち飲み中華。
漢源花椒のさわやかな香りと力強い痺れが後をひく「ルポンの麻婆豆腐」¥979
オリジナリティ溢れる料理や種類豊富なサワーが人気だが、客を引き寄せる引力はズバリ、この熱気。
塩レモンやスパイスなど7種類あるレモンサワーが人気。「同じの飲みたい!」と、隣客に話しかけるきっかけにもなり盛り上がる
隣客や向かい客とすぐに仲良くなる恵比寿らしいノリの良さで、乾杯を交わせば即飲み友達に。
距離の近さゆえ男女の出会いも必然的で、その熱さは真夏の夜のごとく。恵比寿の夜遊びの最適解にまたひとつ新たな店が加わった。
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