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「葬儀費用」がありません…親の死後、即凍結された「親の銀行口座」をどうすれば【司法書士が解説】

「葬儀費用」がありません…親の死後、即凍結された「親の銀行口座」をどうすれば【司法書士が解説】

仮払いできる金額には「上限」がある

便利な預貯金の仮払い制度ですが、引き出せる金額には上限があります。上限額は、以下のうちの、いずれか低いほうの金額です。

●死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1

●150万円

たとえば、被相続人の預金が300万円の場合の計算式は下記のとおりとなり、

300万円 × 1 × 1/3 = 100万円

「100万円」の仮払いを受けることができます。

利用時の注意点

一見便利な制度ではありますが、注意点もあります。

まず、仮払いを受けた相続人は「相続財産を受け取った」とみなされる可能性があります。そのため、あとから「やはり相続放棄をしたい」と思っても、放棄が認められないケースがあるのです。それを考えると、預金の全容や借金の有無がわからないうちは、安易に引き出さないほうが安全だといえるでしょう。

また、この制度を利用する場合、本当に必要な金額に限定することが大切です。必要以上に引き出すと、お金の使途について相続人の間で揉め事が起こるリスクがあるからです。

このような注意点がある以上、利用は最終手段と考え、事前に対策を立てておくことが有効だといえます。

葬儀費用が心配であれば、葬儀会社のなかには、前払いのプランを用意しているところがありますので、そのような先を探して契約しておく方法があります。また、相続人全員であらかじめ「このお金は葬儀費用にする」と合意したお金を用意しておくという方法もトラブル予防に役立ちます。ほかにも、生命保険金を葬儀費用に充てるように設計しておくのも有効です。

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