いつまでも輝く女性に ranune
「余命1年」のバー店主が、“吉原で働く女性”の受け皿であり続ける理由。「今日初めて優しい言葉をかけられた」店先で泣いてしまう女性も

「余命1年」のバー店主が、“吉原で働く女性”の受け皿であり続ける理由。「今日初めて優しい言葉をかけられた」店先で泣いてしまう女性も

◆前職でのつらい経験を経て、気づいたこと

――発想が切り替わったのはどうしてでしょうか。

あいり:飲食店で働く前は、芸能界にいました。演者をしていた時期もありますし、プロデューサーをやっていた時期もあります。番組を作っていたときに、信頼している演者がいました。自分で言うのもおかしいのですが、私はそこそこ話しかけやすい雰囲気のプロデューサーだったと思います。いろんな方から相談を受けることもありました。そういった日々を積み重ねているうちに業務に忙殺されていき、さらに芸能界でよくあるトラブルなどにも巻き込まれてしまい、精神的な病気にもなってしまいました。

 自分自身と向き合うことが必要になり、他者とも連絡すら取れない日々が続くなかで、その演者が若くして亡くなってしまったんです。非常におこがましいと思いながら、「自分が話を聞いていたら、違う結果になったのではないか」と悩みました。

 翻って、Barを開けておくと、さまざまな人が話をしに来てくれます。特に現在お店がある吉原という街は、特殊な業態の人たちが行き交う場所です。店先で「お疲れさま! 今日も大変だったのね」と声をかけたら、「今日初めて優しい言葉をかけられた」と泣いてしまった女の子もいます。そのまま飲みに来てくれて、帰りには笑顔で帰ってくれたのが印象的です。みんなが神経をすり減らしながら働いているんだなと思ったとき、そういう人たちがほっとできる場所を作りたくなりました。

――芸能界はきらびやかな場所にみえますが、いろいろな事情があるのですね。

あいり:そうですね。実際、グラビアアイドルとしてデビューした子がセクシー女優になったり、性風俗店に勤務するようになったり、さまざまなことが起こり得る場所です。夢があるぶん、夢に敗れる人も多いんです。どんな自分でも自分で肯定してあげられるようになるのが理想ですが、現実はそうはならないことが多いですよね。病んでしまう人も多く見てきたので、いまBarをやることでさまざまな人の話に耳を傾けているのかもしれません。

◆「吉原で働く女性」以外にも…客の属性は多様化

あいり
――お店にはどんなお客さんが来るのでしょうか。

あいり:近頃では「あいりちゃん、話聞いて」みたいな感じで来てくれる子が多くなって、嬉しく思っています。やはり性風俗店で働くことで、孤立感を深めていく人はいますよね。肉体労働であると同時に、精神を削る奉仕でもあるからだと思います。全体として、吉原でずっと働いている人たちよりも、出稼ぎ的に働きに来ている女の子の方が、孤独感もあり悩みやすい傾向はあると思います。

 最近では吉原で働いてる人や性別に限らず、SNSを見て地方から会いに来てくださる方や、風俗業界以外の方からも、「話したい」「会いたい」と来てくださる方もいらっしゃいます。生きている以上、どんな業種でも悩みを抱えることがあると思うので、あいりちゃんになら……と思って来てくださるのはありがたい限りです。


配信元: 日刊SPA!

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