カリブ海諸国の国籍購入
小規模ながら国際的に注目されるカリブ海諸島では、比較的低コストで国籍を取得できる国が多くあります。
◆グレナダ
イギリス連邦加盟国で、中国を含む141ヵ国へのビザなし渡航が可能です。
◆セントクリストファー・ネイビス(セントキッツ・ネイビス)
指定額以上の不動産投資や政府への寄付を行うことで同国の市民権(パスポート)を取得できる制度です。国籍取得後60日以内にパスポートを取得できます。
◆セントルシア
最低10万米ドルの国家経済基金(NEF)への寄付または、20万米ドル以上の承認された不動産への投資、あるいは25万米ドル以上の政府承認の持続可能な観光プロジェクトへの投資のいずれかが必要です。現地居住義務なしで国籍取得が可能で、いわゆるペーパー国民になれます。
◆ドミニカ国
経済への貢献(寄付)または不動産投資を通じて国籍を取得できます。一人で申請する場合、約14万ドル(約2,100万円)で市民権を取得可能です。また、家族での申請も受け付けています。
◆アンティグア・バーブーダ
2016年に個人所得税を廃止しました。「投資による市民権プログラム(CIP)」を通じて、国の経済に多額の投資を行う必要があります。
富裕層の国籍戦略の実態
アメリカの富裕層にとって、国籍購入はゴルフ会員権やプライベートジェットを所有する感覚に近いものです。節税・資産保護・治安リスク回避・国際的ステータス確保のために行われ、コストは高級ヨットやジェットよりもはるかに低くなります。ただし上記の国々は、法律が時々改正されるので注意が必要です。
日本の富裕層の間でも、こうした国際的な資産・税務戦略への関心は高まっており、今後ますます国籍購入を検討する人が増えることが予想されます。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
