

会場では、衣装とともにステージ写真やその衣装の製作過程などの裏話を知ることもできる。小栗は、「衣装を観ていると、その当時の記憶がよみがえってくる感じがして感動しました」とコメント。また、先輩の衣装は後輩たちに受け継がれているそうで、「私は前田敦子さんのステージ衣装を着させてもらったことがあるんですけど、前田さんが憑依したような気になって、不思議なパワーを感じたんです!」と興奮気味に話していた。
内覧会には、AKB48が結成した‘05年から衣装を手掛けているクリエイティブディレクターの茅野しのぶ氏も参加した。衣装のデザインで大切にしているのは、ドラマチック性とカオス性。茅野氏は「AKB48は思ってもみない事件が起こったり、驚くようなサプライズがあったりする。例えば選抜総選挙も順位が決まってから、メンバーの壇上の言葉やキャラクター性や骨格に加えて、コンセプトやファッショントレンドなどを意識して一気に製作するんです。だから当時、誰が1番困ったかっていうと間違いなく衣装部ですよ(笑)。そういう事件やサプライズをメンバーが全力で受け止めて、そのストーリーが作られていくのがAKB48。そういうところから、デザインソースをもらったりしています」とコメント。
ほかにも膨大な衣装の保管場所について質問が及ぶと、「稼働が少ないものは巨大倉庫に保管されていて湿度や温度、データ管理しています。クリーニング会社とも提携しているので、着用されたものは毎回綺麗に。曲が変わりますと言われて、ボツになった衣装もあります。ものすごい維持費に関しては、AKB48の上の方に感謝ですね(笑)。AKB48はいつまでも続いてほしいというのが現役・卒業生の総意なので、いつかは“衣装ミュージアム”とかできたらいいかもしれないですね」と、新たな構想も語った。
AKB48が積み重ねてきた衣装という財産を通じて、20年の歴史を感じてもらいたい。





取材・文/吉岡 俊

