週1回でも成長に貢献できる
──週1回の通園でも、子どもの成長や変化につながるのでしょうか?
週1回の保育でも、その日だけでなく生活全体にも良い影響を与えると感じます。2024年度は、母乳じゃないと飲めないお子さんをお預かりしました。お母さんもとても心配されていましたが、ほかの子どもたちと過ごすうちに、哺乳瓶から飲めるようになったんです。
その後は食事もきちんととれるようになり、落ち着いて眠ることもできるようになりました。たとえ週1日であっても、集団の中で過ごすとほかの子から刺激を受けて成長するんです。
また、保護者の方から「生活リズムが整った気がします」という声もいただきました。家庭だけにいると睡眠や食事のリズムがばらつくことがありますが、保育園では保育のスケジュールを決めているため、その影響が家庭生活にも広がったようです。

ワンオペ育児の救いにも
──2024年度に利用されたのはどのようなご家庭でしたか?
2人の0歳児をお預かりしました。一家庭は2歳上のお姉ちゃんと0歳児を育てる専業主婦のご家族です。お父さんは平日ほとんど不在で、日中は完全にお母さんのワンオペ状態となり、かなり疲弊していました。
もう一方はお母さんが育休中で、資格の勉強をする時間が欲しいというお申し込みでした。
──利用家庭の状況はどのように把握するんですか?
受け入れ前に面談をするので、そこで利用の背景や状況をお聞きします。そのうえで登園やお迎えの際にお話しすることで理解を深めていきます。たとえば、お子さんの様子や保護者の話ぶりから、疲れているのではと気づくこともあるんです。こういった場合は、全員で情報共有しチームとして関わるようにしています。
──利用した保護者の反応はいかがでしたか?
「定期的にこの日は預けられるとなって、精神的にすごい負担軽減になった」という声をいただきました。3時間だけでも、お母さんが完全にフリーな時間を作れたことが大きかったそうです。そのうち1時間だけでも睡眠に充てたり、ゆっくりリラックスしたりできたそうで、自分のペースで過ごせる時間の尊さを実感したと話していました。
ただ残念なことに、通常利用の認可定員が埋まってしまったので、2ヶ月間の利用で終了せざるを得なくなったんです。
──空き枠を利用しているとはいえ、保育園との関係が途絶えてしまうのは残念ですね。
こちらとしても、何かつながりを維持したいと感じました。ご本人もまた機会があれば利用したいとのことでした。そのため、お子さんを預かることはできなくなっても、クリスマス会など園の行事をご案内して、希望されれば参加できるようにしていました。

