◆今後のカギを握るのは、停滞する国内市場ではなく…
以上、4社の違いをまとめました。スシローは高単価商品を充実させるなど寿司ネタに力を入れている傾向がみられます。はま寿司とかっぱ寿司はそれぞれゼンショー、コロワイドの力を借りて、現在でも最低価格100円での提供を継続しています。くら寿司はエンターテイメント性を重視し、子供連れなどのファミリー層を中心に支持を得ています。業界全体で店舗数の拡大は停滞しており、国内はこれ以上の拡大が期待できません。かっぱ寿司は数店舗に留まりますが、各社とも海外に進出しています。直近ではスシローとはま寿司が中国本土で展開する一方、くら寿司は撤退を決めました。海外市場は有望とはいえ、現地企業による地場のチェーンもあり、日本企業の寿司チェーンだからと言って簡単に拡大できる訳ではありません。海外で日本と同じ地位を確立できるのか、各社の動向に注目です。
<TEXT/山口伸>
【山口伸】
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

