
◆中学生のころから刺青に憧れていた
――もとから刺青に憧れがあったと伺いました。こころん:そうですね、憧れは中学生のころからありました。東京で生まれた私は、3歳くらいのときに父親の仕事の都合で岩手県に移り、青春時代を過ごしました。中学のとき、レディー・ガガをみて「こんなにかっこよく、美しく、それでいてセンスのいい女性がいるんだ」と衝撃が走ったんです。いま、身体に花のデザインを彫ることが多いのも、レディー・ガガの影響です。
――ご両親の反応はいかがでしたか。
こころん:私は家族みんな仲が良くて、いろいろ話をする関係性です。「タトゥー入れたい」と言ったときは、「ちゃんと学校を卒業してからね」と言われました。一応、その言いつけは守ったんです。高校卒業後に専門学校を出て、美容師になったあと、20歳でファーストタトゥーを手首に入れているので。
◆一日中こき使われ「手取り13万円」

こころん:それもレディー・ガガの影響ですね(笑)。「自分がもしもレディー・ガガに会える可能性があるとすれば何かな?」と考えて、歌唱力もないし、楽曲を作る才能があるわけでもないなかで、ヘアメイクなら昔から好きだからいけるかもしれないという一縷の望みがありました。
――美容師は激務と聞きますが、いかがでしたか。
こころん:就職のために上京したのですが、厳しい洗礼を受けました。朝5時に起きて7時に出社、開店準備などをすべて1年目の私たちがやって、営業は21時過ぎまで。それから練習に入るため、毎日終電で帰宅して寝るのは深夜でした。それで当時の手取りは13万円ほど。でももっときつかったのは、私が勤務したサロンでは、なぜか先輩術者に教えてもらうときにお金を支払わないといけなかったんです。お給料もそう多くないなかで、手痛い出費でしたね。そもそも「仕事に必要な技術なのに、お金を払わないといけないのはどうしてだろう?」と疑問でした。

