◆「メンタルを病むことなどない」と思っていたが…

こころん:それもありますが、メンタルの不調が身体に影響してしまったことが大きいと思います。これまで、学生時代を非常に楽しく過ごさせてもらった私は、自分がメンタルを病むことなどないと思っていました。けれども、美容師として働くなかで、突然呼吸がしづらくなったり動悸がしたり、耳が聞こえづらくなったり、いろいろな不調が出てしまい、受診しました。医師から「自律神経がやられているから、仕事を休むように」と告げられて、退職を選びました。
理不尽だなと思うことがあっても共有できればよかったのですが、先輩たちもそれを乗り越えてきているので、「私たちの時代はもっと酷かった」みたいな言説で諭してくるのがちょっとグロテスクだなと思いました。
――現在のお仕事はいわゆる水商売ですが、すんなりシフトできましたか。
こころん:もともと祖母がスナックを経営していて、母がチーママ、父がバーテンダーをやっていた時期もあったので、まったく抵抗がないんですね。私も美容学校に通いながらキャバクラなどで働いていましたし、現在も年上の社会経験豊富な人たちと話せるのが楽しいです。
実は美容師をやめたときも、地元に帰ってキャバクラで働いていました。そこでは女の子たちのヘアメイクなども任せてもらえて。ちょうどサロンでの苦い経験から働くことにネガティブになっていたので、もう一度社会で働くことができたのはよかったですね。
◆200万円の借金を背負うハメになり…
――そのあとは、どのようなお仕事を?こころん:実は25歳のときに抱えた借金を返すために、オトナのお店で働き始めたんです。当時交際していた男性に別れを告げたのですが、受け入れてもらえず……腹いせだったのでしょうか、私のクレジットカードを勝手に使われてしまって。結局、200万円ほどを私が被る形になったんです。
――元交際相手の方の行動は犯罪ではないのでしょうか。
こころん:犯罪行為なので警察に相談にも行きました。しかし私の名義を貸したことになっているので、警察には「こういう場合は同意があったとみなされちゃうんだよね」と言われてしまいました。そんなわけで、その年の大晦日は私、警察署で過ごすことになったんですよ(笑)。
最初は「誰も守ってくれない」「冷たい」とネガティブな感情があったんですが、そのうち「絶対返済してやろう」と思うようになって。それで応募しました。

