いつまでも輝く女性に ranune
全身刺青の31歳女性が“200万円の借金”を背負うハメになった理不尽な出来事「警察に相談したのに…」

全身刺青の31歳女性が“200万円の借金”を背負うハメになった理不尽な出来事「警察に相談したのに…」

◆「借金をしてからが人生なんだな」と思えるように

こころん
手首からはじまり、今では全身に刺青が
――すぐに返済できたのでしょうか。

こころん:結局、最終的には吉原で殿堂入りするまでいくので、借金は遠い昔の記憶になりましたね。でも業界に入るまではかなりダメダメで、面接中に飲酒したのがバレて採用してもらえないこともありました。地元の店で働くことになったときは、やはり地元の人にバレたら困るので、新幹線で2駅先の店に勤務していました。そこは熟女店で、当時25歳だった私は完全にカテゴリーエラーなのですが、お客さんにも「店のコンセプトと別枠で考えてもらえれば」なんて言って(笑)。

 これらの経験を通じて、「借金をしてからが人生なんだな」と思えるようになりました。もともと学生時代も時間とか締め切りを守れなくて、美容師になって初めて必死に働く経験をしたくらいだったのですが、背負うものがあったほうが機敏に動けることを知りましたね。

――お話を伺っていると、思い切りが良すぎますよね。

こころん:確かに、自分でもどうしてそんな思考回路になったのかよくわからないときはあります。数年前、当時交際していた男性からお金を貸してほしいと頼まれたことがきっかけで口論になりました。主張がまったくの平行線で、男性が明らかに借りる側の態度ではなかったことなどから、私の怒りのボルテージがどんどん上がっていったんです。なぜそうなったのか覚えていないのですが、台所で口論していたので、目の前にあった包丁を握りしめて自分の手首に3回ほど突き刺して見せてやったんです。男性はかなり狼狽していました。もちろん血は止まらず、救急車を呼びました。救急隊がDV案件だと勘違いして、警察も家にやってきて、男性は事情聴取をされていました(笑)。

◆のんびりとした気質だが、我を忘れるようなときも

――豪快すぎます(笑)。こうして話していると穏やかな印象を受けますが。

こころん:そうですね、どちらかといえば時間に縛られるのが嫌いで、「なんとかなる」と本気で思っている節が強いです。学生時代も結構な劣等生で、宿題などの提出物もすぐに忘れますし、時間も守れないような子でした。基本的に怒ることもあまりなく、ガツガツ働くよりも自宅でのんびりする時間を愛する人間だと思います。ただごくわずか、理不尽な扱いをされたときに怒りで我を忘れることがあるだけで、基本的には温厚だといわれます。

――今後の目標などがあれば教えてください。

こころん:叶わなかったときが辛いので、大仰な目標は設定しないようにしているんです。ただ、現在働いているお店はお客さんもとてもいい人で、私自身いろいろなことを学ばさせていただいているので、このお店をもっと繁盛させたいなとは考えています。スナックは昼の社会で疲れた人たちを癒す場所だと思うので、私自身が社会に適合しない面もあるからこそ、本気の「お疲れ様」を言えるのかなと思ったりもしますね。

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 乱高下するこころんさんのテンションは見ていて爽快、“生”の躍動感を味わえる。夜の職業はまさに雑多を楽しむ世界。規格外を歓迎し、面白がる彼女の生き様そのものだ。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
配信元: 日刊SPA!

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