◆エスカレートする奇行

Vanillaのおじさんが来店し、お気に入りのA子ちゃんをいつもどおり指名しました。2人は奥のボックス席に座り、おじさんは2時間ほど滞在しました。その日の彼は来店した時点で少し酔っているように見えました。
2本目の鏡月のボトルがあいた頃、おじさんは
「そろそろいいよね?」
と、彼女にたずねました。この「いいよね?」には、そろそろ彼氏になってもいいよね?とか、そろそろお泊りとかそういうことがあってもいいよね?とか諸々が含まれていると思います。
となりのボックス席で待機していた私にはあまりよく聞こえなかったのですが、たぶん「そういうのはもうちょっと仲良くなってからでしょ~」といつものようにあしらわれ、おじさんは泣いたか喚いたかした後に
「ダメダメ!今日は絶対に許さないよ」
と、大きな声で言いました。
◆絶対に一緒に帰りたいおじさん VS 絶対に一緒に帰りたくないキャバ嬢

「今日は絶対に許さない!」
「ここで待ってるから」
「一緒に帰るから」
と、言って席をたちませんでした。
閉店後、従業員出入口から外に出ると、おじさんがいて「A子は?まだロッカールームか?」と、その場にいる女の子たちに聞きました。
誰かが男性スタッフを呼びに行って、呼ばれた男性スタッフ数名とおじさんが揉み合いになって、そこへさらにパトロール中の警官が来て、その後のおじさんがどうなったのかはわかりません。おじさんの姿を見たのはその日が最後になってしまいました。
後日、彼女がお店の送迎車で無事に帰宅していたと聞いてホッとしましたが、ひと悶着を間近で見ていた私にとっては結構怖い出来事でした。
去年の5月に新宿区内のマンション敷地内でガールズバー元経営者の女性が殺害された事件だっていまだに記憶に生々しい。同業者たちが殺されるたびに、あのおじさんのことを思い出してしまいます。
いったい何を「許さない」つもりだったのでしょう。

