ルブタン流ハーフタイム・ショー
レッドカーペットを彷彿(ほうふつ)とさせる真っ赤な通路を抜けると、そこはまるでアメリカンフットボールの試合会場。両端にはハイヒールの形をしたゴールポストが置かれ、赤い観客席が設置されている。試合(ショー)開始前には天井からつるされた4面のスクリーンに来場ゲストがサプライズで映し出され、表示された絵文字と同じ表情をする「絵文字チャレンジ」が行われるなど、さながらスーパーボウルのハーフタイム・ショーのようなエンターテイメント性にあふれる演出も。

観客席にはクリスチャン・ルブタン氏、そして先日、メゾン初のメンズ・クリエイティブディレクターに就任したジェイデン・スミス氏の姿も見られた。
2025年春夏コレクションに続き、写真家や映画監督など幅広い分野で活躍するデヴィッド・ラシャペルが演出を、振付師のブランカ・リーが振り付けを担当。ルブタンらしいセンシュアルかつポップなアート性と、スポーツのアスリート精神が融合する世界を描いた。

ショーの幕を開けたのは、アイコニックなレッドソールが際立つブラックのハイヒールを履いたモデル。ハイヒールの音を鳴らしながら芝刈り機と共に登場するというコミカルな演出に、会場の熱もぐっと高まった。
キラキラ光る、チアダンスとタックルの足元
前半では、パリ消防音楽隊によるマーチングバンドが演奏する曲に合わせ、チアリーダーやルブタン氏が愛する“タツノオトシゴ”のチャーミングなマスコットなどがダンスを披露。2階席から見てもキラキラとまばゆく輝く足元は、もちろんクリスチャン ルブタンのシューズだ。

チアリーダーの足元を飾ったのは、ラインストーンで飾られたソックス付きのハイヒール。バレエの永遠の優美さに着想を得た「カッシア」ラインから誕生した「カッシア アンマック」。トウシューズのようなシルエットに、彫刻のように仕立てたスティレットヒールが印象的な「カッシア」に、スポーティーな厚手のソックスをプラスした。
チアリーディングのあとは、いよいよ試合がスタート。男性チームと女性チームにわかれ、曲に合わせて一つのボールを取り合う。男性選手たちの足元を彩るのは、メンズ初の「カッシア」ラインとして誕生した「ルーベン」。ナッパレザーで仕立てられたトウシューズのようなシルエットのシンプルでありながら唯一無二のデザインだ。
会場ではAsphalt(アスファルト) の名でも知られるシンガーのミロ・トレトンが生歌唱を披露。スーパーボウルのハーフタイム・ショーのライブパフォーマンスを彷彿とさせた。






