いつまでも輝く女性に ranune
結婚前提の同棲だったのに、わずか9ヶ月で破綻。女が許せなかった些細なコトとは

結婚前提の同棲だったのに、わずか9ヶ月で破綻。女が許せなかった些細なコトとは

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「顔は可愛いのに…」2回目のデートに誘われない30歳女。彼女が犯している食事中の失態とは



交際して約1年半。同棲を開始して9ヶ月になる祥子が突然こんなことを言い出した。

「ごめん、鉄二。同棲、解消しない?」

「結婚する前に同棲をするな」とか「同棲したら結婚までいくのが難しい」とは昔からよく聞く話だ。

僕たちもそれはわかっていたから、結婚前提の同棲だったし、そもそも同棲を提案してきたのは、祥子だった。

僕は家事もかなり積極的に手伝っていたし、祥子の仕事も応援していた。

「僕は、別れたくない。でも、どうすればいい?もう解決策はないの?」
「すっごく些細なことの積み重ねで、別に何が悪いとかじゃないんだけど。ただ、ちょっと疲れちゃって」
「それって、別れたいってこと…?」

最後の決定的な言葉を聞きたくはない。でも同棲を解消するということは、そういう意味だろう。

僕は同棲を解消したくなくて結局まだ居座っているのだが、祥子が本当は何が嫌だったのかわからないまま、この先どうすれば良いか途方に暮れている。


Q1:同棲をする上での支払い問題は、合っていた?


祥子とは元々友達だったのだが、向こうが彼氏と別れたタイミングでなんとなく男女の関係になり、いつの間にか交際に発展していた。

付き合いも長かった分、僕たちは交際を決めた段階で結婚を見据えた、真剣な関係だった。

「交際1年くらいで結婚かな」そんなふうにお互い思っていたと思う。

そして僕の家の更新が近づいてきたタイミングで、祥子が突然同棲の話を持ちかけてきた。

「せっかくだから、一緒に住む?家賃ももったいないし。実は同じマンション内で、もう少し広い部屋が空いたんだよね」

恥ずかしい話だけれど、4歳年上の大手広告代理店勤めの祥子は、不動産会社に勤める僕よりも給料が高い。

だから、代々木上原にある祥子の家の方が広くて綺麗で居心地が良く、僕が彼女の家に行くことの方が多かった。

「そうなの?じゃあそっちに、一緒に引っ越す?」
「うん。名義は私になるけどいい?」
「もちろん。僕はなんでも」

こうして祥子の名義で50平米ほどの部屋を借り、二人で住むことになった。



1LDKでの同棲生活は、正直にいうと大変なこともある。

ベッドルームが一つしかないので、ケンカをしても逃げ場がない。そしてお互いリモートワークになったらどちらかが遠慮してカフェへ行ったり、極力時間が被らないようにしたりと配慮が必要だ。

「祥子、俺明日10時からリモートで」
「そうなの?私もなんだけど」
「じゃあどっちかが家出ないとか…」
「わかった、私が出るよ」
「本当に?いつもありがとう」

こんなふうにお互いうまく譲歩しあっていた。

家賃は、話し合った結果、手取り60万の祥子が7割、手取り40万の僕が3割負担することになった。

ただ僕の年収が低いこともありので、料理を作ったり、掃除をしたり、家事は積極的に僕が担当していた。



「てっちゃん、いつもご飯作ってくれてありがとう」
「ううん。でも洗い物は頼んでいい?」
「もちろんです!」

またお互いに好きなこと、嫌なことが一緒の祥子との同棲は楽しかった。祥子も外食が好きで、僕たちはよくレストラン開拓を行っていた。

「祥子、次の日曜、気になっていたレストランに行きたいんだけど」
「いいよ。なんていうお店?」
「駅の近くにある店なんだけど…」

そうやって、近所の店を一緒に開拓できるのも楽しい。外食の時の支払いも、家賃と大体同じくらいだった。

また仕事で疲れて帰ってきても、祥子の顔を見るとホッとしたし、心が安らぐ。そして僕たちは平日はほとんど飲まないため、週末に二人で晩酌をするのが楽しみでもあった。

「今週もお疲れさまでした」
「乾杯!」

僕が作ったご飯を二人で食べながら、今日1日何があったかとか、時にはぼうっとテレビを見たりとか…。

そんな平和な時間が、ずっと続くと思っていた。


Q2:女が最後のほうに思っていたことは?


そんな楽しい毎日が続いていた中で、思い返してもそこまで悪いことをしていないと思う。

「祥子、僕の黒のパンツ知らない?」

日曜の朝、今日穿こうと思っていたパンツが見当たらなかったから、掃除機をかけている祥子に僕は尋ねた。

「え?今日洗濯して乾燥機に入れたはずだけど…」
「クローゼットの中になくて」

洗濯は祥子がしてくれる。だから僕は、そこは任せていた。

「あ、ごめん。まだ乾燥機の中に入れっぱなしかも」
「後で、いつもの所にかけておいてもらっていいかな?午後出かける時に穿きたくて」
「わかった」

もちろん祥子は、僕のパンツを乾燥機から取り出して、クローゼットに入れてくれていた。



そしてしょうがないことだと思うけれど、一緒に住むと会話は少なくなっていく。当初は話したいことがたくさんで、ずっと話し続けていた関係も、食事中はテレビを見ることが多くなっていた。

「てっちゃん、あのさ」
「ん?ちょっと待って。今テレビ見てるから。後にして」

別に無視するつもりはなかったが、祥子はたいていタイミングが悪いときに話しかけてくる。いつもドラマが盛り上がっている時とか、仕事のメールを返している時とか…。

女性はたくさん話したい生き物だから、話したい気持ちは理解できる。

だからテレビを見終わった時とか、落ち着いたタイミングで、ちゃんと僕は話を聞いてあげていた。

「祥子って、本当にいつもタイミング悪いよね」
「そんな言い方しなくても…」
「で、何?」
「てっちゃん、私の化粧水使ってる?」
「そんなこと?うん、使ってるよ。あれいいよね」

祥子の化粧水を使い始めてから、すこぶる肌の調子が良い。

「あの化粧水、美容クリニックで買ってるやつだから結構高いんだよ。私だって大切な日の前日にしか使わないのに」
「そうなんだ。だからいいんだね」
「もう一回言うけど、あれ大事にしてるんだからね?」

でも家にある物だし、一緒に使ったほうが効率が良いだろう。



「牛乳だってシェアするしね」
「牛乳と化粧水は違わない?」
「ほぼ一緒だよ」

そんなことで笑い合えるくらい、僕たちの関係は順調だったはず。

僕が家事を放棄したとか、生活費をまったく支払わない…とかではないから、どうして祥子が急に「同棲を解消したい」と言い始めたのか、まったく検討がつかない。

一体、彼女は何が気に触ったのだろう…。


▶前回:「顔は可愛いのに…」2回目のデートに誘われない30歳女。彼女が犯している食事中の失態とは

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

▶NEXT:10月5日 日曜更新予定
同棲中の彼氏に対して女が募らせていた不満とは


配信元: 東京カレンダー

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