誰もが予想しなかった出来事を機に、新たな働き口を探し始めたレースクイーンも少なくない。現在は工業製品の試作を支援する会社「南デザイン」に勤める小田陽子さんもそのひとりだ。

◆“陰キャ”だった高校時代。趣味のコスプレが自分を変えた

転機になったのは、高校を卒業してから。もともと好きだった漫画やアニメのコスプレを始め、衣装も自分で作ってイベントに参加するようになった。そこから、「自分ではないキャラクターになりきる」という体験に楽しみを覚え、少しずつ人前に出ることが快感になってきたそうだ。
「当時はちょうど就職氷河期で、高校を卒業した後、地元・大阪のスポーツクラブで契約社員としてフロント業務をしていました。その仕事と並行して、趣味でコスプレ活動を続けていたんです。
そんなある日、トヨタのイベントに行く機会があり、そこで初めてイベントコンパニオンという職業に出会いました。ステージ上で華やかな衣装を身にまとい、お客さまに笑顔で対応されている姿が本当に印象的で。その方がいるだけで、会場の雰囲気が明るくなるような“存在感”がありました。まさに、『人の笑顔で空気が変わる』というのを目の当たりにし、心から感動したのを覚えています」(小田さん、以下同)
◆事務所に登録から2ヶ月でレースクイーンデビューを果たす

そう思った小田さんは、イベントコンパニオンの女性に「私もこの仕事をしてみたいんです。どうすればなれますか」と率直に尋ねたという。そこで、イベントコンパニオンの所属事務所があることを知り、事務所へ採用面接を受けに行ったところ、晴れて合格することができたそうだ。
「事務所のマネージャーさんからは、『イベントコンパニオンといってもキャンペーンガールや展示会などさまざまな現場があり、その中で最上位のランクにあたるのがレースクイーンだ』と教えてもらいました。その話を聞いたときに、どうせやるなら一番上を目指したいと思い、そこで初めてレースクイーンになるという目標を持つようになったんです」
ただ、事務所に登録したからといって、すぐに仕事がもらえるわけではない。案件ごとに募集があり、書類選考やオーディションなど、自分でチャンスを掴まなければならないわけだ。
小田さんは幸いにも早々とタバコメーカーのキャンペーンガールに合格することができ、週5でスケジュールが埋まるくらい定期的な仕事にありつけたという。さらに、その仕事を始めて2ヶ月後に、鈴鹿で新規オープンするサーキット場でレースクイーン募集の案件が舞い込んでくる。
自腹を切って鈴鹿へオーディションを受けにいったところ、見事合格を果たし、事務所に登録してから2ヶ月後にレースクイーンになる目標を達成。その肩書きを武器に、イベントコンパニオンやキャンペーンガール、展示会、セミナーなど色々な仕事が決まるようになったとか。

