“優しそう”とか“かしこそう”など、話したこともない初対面の相手にそのような印象を与えることは、もはや才能なのかもしれません。もちろんその逆もあります。
今回は、見た目が真逆なコワモテの男性たちと関わることになった男性の挽回エピソードです。

◆朝から胸騒ぎのする出会い
「正直、朝から嫌な予感はしてたんです」と苦笑いを浮かべながら取材に応じてくれた宮田さん(仮名・27)。彼は、都内某所の高級住宅街の幼稚園の先生です。その日は、幼稚園では父兄によるフリーマーケットが予定されていて、準備のため、いつもより早めに出勤しました。
ところが、駐車場に車を入れようとした時、ルーフにハシゴを積んだワンボックス車が駐車場の入り口を塞ぐように停まっていたそうです。
しばらく待っていると、車内から目つきの鋭い男性が出てきて、宮田さんの車が入れない様子に気付き、無言のまま数メートル前に移動させたと言います。
「別に大したやりとりがあったわけじゃないんですけど、こちらを威圧するような視線で。朝からちょっと嫌な気分になりましたね」
胸の奥に引っかかるものを抱えたまま、宮田さんはフリマの設営に取りかかりました。
◆園児の一言で気づいた異変
フリマが始まると、多くの園児や父兄で園庭は賑わいを見せたそうです。バザー品を広げる笑顔、久々に再会する母親同士の会話。そんな和やかな空気のなか、事件は小さな声から始まりました。
「ママー、煙がくさいよー。おじいちゃんのお家みたいで嫌だ」
砂場で遊んでいた園児のひとことに、宮田さんは最初ピンと来なかったといいます。
しかし視線を隣の区画へ移した瞬間、状況を理解しました。そこには休憩中と思しき作業員風の3人組が、ガードレールに腰掛けながら堂々とタバコをふかしていたのです。
金髪や強面の風貌が目立ち、園庭に漂う煙は子どもたちの遊び場へと確実に流れ込んでいました。
「やっぱりな……と。朝に見たあの車の人たちだと、すぐにわかりました」
さらに追い打ちをかけるように、一人の母親が宮田さんの前まで来たそうです。
「先生、この辺は路上喫煙禁止区域ですよね?園児も嫌がっていますし、なんとかしていただけませんか?」
現場の責任者として対応が求められる立場。けれど相手の雰囲気は、とても注意できるようなものではありませんでした。

