3.退職金の主な制度と受け取り方
退職金制度には主に3つの制度があり、それぞれ積み立て方法や支給方法、受け取るタイミングが異なります。
退職一時金制度
退職の際に、一時金として一括で支払われる制度を指し、主に以下3つの種類があります。
社内準備(積立)型:会社内部で積み立てをおこない、退職時に支給する方法
中小企業退職金共済制度:加入している事業主の共済と国の援助によって成り立ち、自社で退職金制度を設けるのが難しい中小企業が対象
特定退職者共済制度:商工会議所などの特定の団体を対象とし、毎月定額の掛金を支払うことで将来必要となる退職金を準備する制度
確定給付企業年金(DB)
事業主が将来的に支払う給付額をあらかじめ約束したうえで、積立金を準備する制度で、DB(Defined Benefit:確定給付)と略されます。企業が掛金を準備し、外部の運用会社に委託して原資を運用する点が特徴です。企業が運用責任を負うため、企業規模が比較的大きい会社が導入しています。
企業型確定拠出金(DC)
企業が掛金を出し、従業員が運用をおこなう制度で、DC(Defined Contribution Plan:確定拠出年金)と略されます。運用責任を企業が負うDBと比べて、企業へのリスクが低い点が特徴です。従業員の運用結果によって将来的に受け取れる金額が異なります。
退職金の受け取り方は3種類
退職金を受け取る方法は、全額一時金として受け取る方法以外にも、何年かに分けて退職年金として受け取る方法、そしてこの2つを併用する方法の3種類があります。
転職する場合は、一時金として受け取ることが一般的です。また、企業型確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)の場合は、転職先が実施する企業年金などに年金資産を移管できるポータビリティ制度を利用するか、退職金制度がない場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業年金連合会に移換します。
4.退職金がいくらか確認する方法
勤め先に退職金制度がある場合、退職時または将来的に受け取れるおおよその金額を確認することができます。主な確認方法には、以下の3つがあります。
(1)就業規則を確認する
退職金制度を設けている会社は、退職金規定を就業規則に記載しなければなりません。そのため、退職金規定には、支給対象者や支給要件、金額の計算方法、支払い方法と時期などが記載されています。
(2)人事・総務部に確認する
就労規則の記載内容についてわからない点や、支給要件に該当するかなどを確認したい場合は、人事・総務部へ直接聞いてみるのがおすすめです。
(3)給与明細を確認する
毎月の掛金を設定している企業もあります。その場合、給与明細の控除欄に「退職金掛金」「企業年金掛金」「確定給付掛金」などの項目と金額が記載されていますので、確認してみましょう。

