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「もう無理」洗面台でピンときた女の直感。同棲9ヶ月で、彼女が別れを決意したワケ

「もう無理」洗面台でピンときた女の直感。同棲9ヶ月で、彼女が別れを決意したワケ

今週のテーマは「結婚を見据えて始めた同棲だったのに、女から“解消したい”と言われた理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:結婚前提の同棲だったのに、わずか9ヶ月で破綻。些細なことだが、女が許せなかったコト



「ごめん、鉄二。同棲、解消しない?」

交際期間1年半。同棲を開始して9ヶ月になる鉄二にこのセリフを言うのは、苦渋の決断だった。

「僕は、別れたくない。でも、どうすればいい?もう解決策はないの?」
「すっごく些細なことの積み重ねだったの。だから別に何が悪いとかじゃなくて。ただ、ちょっと疲れちゃって」

― 別れたいわけではない。でも一緒に暮らすのは、違うかもしれない。

それがこの同棲生活を経て出した答えだった。

自分でも、小さなことだとわかっている。でも、小さなことも、積み重なるとやがて大きな塊になる。

このまま結婚しても、いつか離婚してしまうに違いない。そう思わざるを得ない9ヶ月間の同棲生活だった。


A1:生活費の割合問題。最初は7:3でも良かった。


鉄二は、元々ただの男友達だった。それがいつの間にか男女の関係になり、恋人として交際が始まった。

友達だった期間が長かったせいか、交際した時点でお互い結婚は意識していたと思う。

そして交際してしばらく経った頃、ちょうど鉄二の家の更新のタイミングが来たので、何となく私は同棲を持ちかけた。

「せっかくだから、一緒に住む?家賃ももったいないし。実は同じマンション内で、もう少し広い部屋が空いたんだよね」

この時、私たちはお互いに結婚すると思っていた。だから私は「早めに一緒に暮らすのも悪くないな」くらいで考えていた。

「そうなの?じゃあそっちに、一緒に引っ越す?」
「うん。名義は私になるけどいい?」
「もちろん。僕はなんでも」

私の年収は1,000万で、鉄二の年収は650万くらい。だから名義は私の方が審査も通りやすかったし、何より私は鉄二より4歳年上だ。だから生活費や家賃、全体的に7対3の割合で支払う、ということで落ち着いた。

最初は、私もそれで納得していた。自分の方が年上だし稼いでいるし、仕方ない。それに鉄二は家事もしてくれる。

そう思っていた。



ただ実際に生活してみると、色々と問題が出てくるのが同棲というもの。1LDKの家でお互いリモートになると、どちらかが譲らなければならない。

「祥子、俺明日10時からリモートで」
「そうなの?私もなんだけど」
「じゃあどっちかが家出ないとか…」
「わかった、私が出るよ」
「本当に?いつもありがとう」

こういう状況になった時、たいてい家を出るのは私の方だった。

― まぁ仕方ないか。

そう思っていた。そして最初のうちは、家事をしてくれていた鉄二。

「てっちゃん、いつもご飯作ってくれてありがとう」
「ううん。でも洗い物は頼んでいい?」
「もちろんです!」

ご飯を作ってくれるから、洗い物は私。それも納得がいく。しかしもちろん毎日鉄二が作るわけではない。私がご飯を作る日もある。それでも、洗い物は私の仕事だった。

納得いかないこともあったが、そんなモヤモヤを吹き飛ばすくらい、鉄二といると楽しかった。



「祥子、次の日曜、気になっていたレストランに行きたいんだけど」
「いいよ。なんていうお店?」
「駅の近くにある店なんだけど…」

鉄二も私も食べることが好きなので、レストランの新規開拓をするのが好きだった。レストラン開拓だけでなく、週末になると鉄二と二人で晩酌をするのもとても好きな時間だ。

「今週もお疲れさまでした」
「乾杯!」

ゆっくりと料理をつまみながら、お酒を楽しむ…。最高の時間だった。

しかし段々と、鉄二の態度が変わってきた。でもこれは、そうさせてしまった私にも責任があると思う。


A2:図々しさが増してきた。


それは、ある日曜の朝だった。掃除も私が基本的にするので掃除機をかけていると、背後から鉄二の声がする。

「祥子、僕の黒のパンツ知らない?」
「え?今日洗濯して乾燥機に入れたはずだけど…」
「クローゼットの中になくて」

言われてみれば、乾燥機に入れたままだった。乾燥はもう終わっているので、出来上がってはいる。けれども私がいつものように、畳んだりハンガーにかけた状態でクローゼットの中に入れられていなかった。

「あ、ごめん。まだ乾燥機の中に入れっぱなしかも」

すると、鉄二は当然のようにこんなことを言ってきた。

「後で、いつもの所にかけておいてもらっていいかな?午後出かける時に穿きたくて」

― いや、それくらい自分ですれば…?

子どもじゃないのだから、もう洗濯も乾燥も終わっている自分の物を、自分のクローゼットに入れるくらいできないのだろうか。



そして段々、会話の量も減ってきた私たち。それだけではない。

「てっちゃん、あのさ」
「ん?ちょっと待って。今テレビ見てるから。後にして」

― カチン。

イラっとする自分の音が、聞こえた気がする。二人で食事中にテレビを見るのもどうかと思うけれど、私との会話よりテレビを優先する鉄二の気が知れない。

「祥子って、本当にいつもタイミング悪いよね」

しかも言い方まで腹立たしい。段々と、彼は私に対して“努力”をしなくなっていくのが目に見えてわかる。

言い方もキツいし、とにかく今のこの関係にあぐらをかいているようにしか思えない。

「そんな言い方しなくても…」
「で、何?」
「てっちゃん、私の化粧水使ってる?」

そしてもう一つ。細かいことだけれど、前々から洗面台の扉を開けるたびにげんなりしていることがあった。

「そんなこと?うん、使ってるよ。あれいいよね」

鉄二が断りもなく、私の化粧水やパックを使っていることだった。



自分でも、ちょっと細かいかなと思うし、こんなことで怒るのも間違っているのかもしれない。でもこれにはちゃんと理由があった。

家賃も全体的にも私の方が支払いが多い上、家事も私がほぼやっている。

そのうえ、私が大事に使っている化粧水を、無断で自分の物のように使う鉄二の態度は、図々しく感じてしまう。

「あの化粧水、美容クリニックで買ってるやつだから結構高いんだよ。私だって大切な日の前日にしか使わないのに」
「そうなんだ。だからいいんだね」
「もう一回言うけど、あれ大事にしてるんだからね?」

そう言っても、本人はまったくわかっていないし、気にしていない。

「牛乳だってシェアするしね」
「牛乳と化粧水は違わない?」
「ほぼ一緒だよ」

牛乳と高級化粧水ではわけが違う。

正直、これは些細なことの一つに過ぎない。

とにかく鉄二と同棲して感じたことは、彼が私の気持ちを理解してくれないということだ。

“親しき仲にも礼儀あり”というけれど、相手に対する思いやりとか、感謝の気持ちとか。それらがなくなったら関係性は崩れていく。

私たちはまだ結婚をしていない。

それなのに既に自分勝手な鉄二を見て先が思いやられ、私は一旦冷静になって関係性を考えることにした。


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配信元: 東京カレンダー

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