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新人看護師の離職率ゼロ?鹿児島の相良病院に学ぶ「辞めない組織」のつくり方

新人看護師の離職率ゼロ?鹿児島の相良病院に学ぶ「辞めない組織」のつくり方

理想の実現に向けた今後のチャレンジ

──ここまでさまざまな取り組みを伺ってきましたが、課題と感じている部分はありますか?

相良医師:栄養士や調理師の採用に関しては、思うよう進まない時期が続きました。ただ、労働環境や待遇を見直すことで、少しずつ解決に向かってきています。

採用にしろ運営にしろ、問題のない時期はないものの、改善を重ねながら新たな挑戦に取り組める環境だと感じています。

──今後、力を入れていきたい取り組みについて教えてください。

相良医師:まず、鹿児島、宮崎、札幌、京都の各施設で良い医療と経営をおこなうことが大前提です。そのうえで、自由診療の分野を伸ばし、検診を中心とした「未病」へのアプローチや、美容医療にも挑戦します。ひとつの病院ですべてを完結させるのではなく、地域の施設と連携しながら医療を展開していく形をつくっていきたいですね。

坂元さん:実際に、熊本の産婦人科とも連携を進めています。これまで当院から医師を派遣していましたが、相互に人材が行き来する協力関係を強めていくイメージです。地域に縛られず、グループ全体で質の高い医療を共有することが、これからの大きなテーマになると考えています。

相良医師:熊本や福岡からも患者さんが通いやすいように、各地の乳腺センターの整備も進めています。遠方の患者さんにもアクセスしやすい環境を整えることが重要です。その意味では、自由診療の幅を広げることは私たちにとって大きなチャレンジになっていますね。

インタビューにこたえる相良吉昭医師

──最後に、理事長ご自身が医療に取り組むうえで大切にしている思いをお聞かせください。

相良医師:私たちの取り組みは、理想と現実のギャップを埋めるための挑戦なのだと思います。例えば、がん専門医が少なく、十分ながん医療を受けにくい地域があることに強い問題意識を持ってきました。

正しい取り組みを制度に落とし込み、持続可能な医療として広げていきたい。これからも、その思いで取り組みを続けていきたいと考えています。

取材協力:社会医療法人 博愛会 相良病院

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