
日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。
「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを、第一園芸のデザイナー・志村紀子がご紹介します。
2025年10月23日から二十四節気は霜降に
「霜降(そうこう)」は、朝晩の冷え込みが増し、霜が降り始める頃を表す節気です。
晩秋を迎え、秋の最後の節気でもあるこの時期は、冬へと向かう季節の移ろいを感じさせてくれます。空気は澄み、景色もどこか静けさを帯びてきます。
今回ご紹介するのは、そんな霜降の季節に寄り添う花「スターチス」。
ドライフラワーとしても人気のあるスターチスは、色褪せにくく、長く楽しめるのが魅力です。
小さな花が集まって咲く姿は可憐で、落ち着いた色合いが過ぎゆく秋の情景にそっと寄り添います。
この季節にぴったりな、スターチスを使った花あしらいをご紹介します。

ざっくりとボリューム感を楽しむ
スターチスには、大きく分けて〈スターチス・シヌアータ〉〈宿根スターチス〉〈ハイブリッドスターチス〉の3種類があります。
今回は、長く親しまれてきたスターチス・シヌアータを使い、ニュアンスカラーのくすんだピンクとクリーム色をたっぷりと、ざっくりとあしらいました。
スターチスには実にさまざまな色があり、ピンクとひと口に言っても、写真のようなくすんだ色味から鮮やかなものまで、まるで口紅のように豊富なバリエーションが揃っています。
ぜひ、お好みの色を組み合わせて、自分らしい花あしらいを楽しんでみてください。

そのままドライフラワーにも
今度は、水色とクリーム色のスターチスをそれぞれ束にして、陶器の花器にあしらいました。

さらに束の数を増やして、バスケットにも入れてみました。
スターチスは、買ってすぐにバスケットなどに無造作に入れておくだけでも、きれいなドライフラワーになります。
水が苦手な器や、水を使いたくない場所でも気軽に楽しめる、扱いやすい花です。

