いつまでも輝く女性に ranune
「包丁を突きつけられて」婚姻届を書いた37歳女性の仰天人生。離婚後に「あえて苗字を変えない理由」も激白

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◆人生、無理なときは無理でいい

――性風俗店に勤務する女性のなかには、自分を肯定してあげられないと悩む女性も多いですよね。

とーこ:そうだと思います。私の場合、常に「幸せになりたい」と「私が幸せになっていいはずがない」がせめぎ合っていました。そうなると、誰かに奉仕をすることでしか、自分を認めてあげられなくなってしまうんです。お客様のどんな無茶な要求にも応えなければいけない、お休みなんてもらっていいはずがない――どんどんそうした思考回路に陥っていきます。

 私が知る風俗嬢のなかにも、とても可愛くて、人の意図を敏感に察知できて気配りができ、人を楽しませることのできる子たちがいます。けれども彼女たちが内面でどれだけ泣いているか、誰も知りません。逆説的ですが、母との2度目の絶縁によって、たとえ家族でもわかり合えないことはあるし、無理なときは無理でいいということを学んだように感じます。

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 母親からの承認が欲しくてもがいた日々を、時折涙を見せながらとーこさんは振り返った。母親からはついぞ欲しかった言葉も愛情ももらえなかったが、人生の教訓が残った。人生は常に能動的でなくてはいけない。口を開けて愛情を待つ雛の時代は終わった。自らが自らを愛し、誰かに癒やしを届けられる存在になるまで、とーこさんの歩みは続く。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
配信元: 日刊SPA!

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