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もし「孤独死」したら、どんな事後処理が行われるのか…不動産会社を経営する司法書士が解説

もし「孤独死」したら、どんな事後処理が行われるのか…不動産会社を経営する司法書士が解説

遺族が抱える課題は多岐にわたる

孤独死が発生したとき、遺族や関係者が抱える課題は多岐にわたります。

ここからは孤独死に関する相続について司法書士や不動産会社がサポートできることを解説します。

①相続関係の整理

誰が相続人になるのか、そもそも遺言があるのか、遺産に何が含まれているのかを調べなければなりません。

まず、戸籍による相続人全員の住所・連絡先の把握が必要です。相続人が1人でも欠けると、不動産の売却も預金解約もできません。亡くなった方に子供がいない場合は、その兄妹や甥姪が相続人となりますが、すでに疎遠な間柄で、連絡先がわからない事もよくあります。

万が一、認知症の相続人がいれば「成年後見制度の申し立て」、行方不明の相続人がいれば「失踪宣告」の手続きも必要です。

司法書士はこれらの作業をして、不動産の名義変更(相続登記)のために必要な相続人の確定を行います。

さらに明らかに債務が多い場合などは、相続放棄の検討をすることになります。

また、相続人の一部がすでに亡くなっているケース(代襲相続や数次相続)や、親族が多数いて連絡が取れないケースも増えています。

そうした複雑な状況も、専門家である司法書士が間に入り、戸籍の収集・法定相続人の調査・協議書の作成を一括して対応できます。

②不動産の整理・売却・活用支援

遺品整理の後、相続した不動産をどう扱うかも大きな課題です。

空き家状態が続くと、一戸建ての場合、防犯上の問題や草木の手入れ、また維持管理の問題が生じます。またしばしば近隣とのトラブルが発生することもあるでしょう。

また孤独死があった物件は「心理的瑕疵物件」として扱われることもあり、特殊清掃などの手続きが必要になることがほとんどです。

そうした点も含めた戦略的な出口設計が必要になります。司法書士法人近藤事務所では、こうした特殊清掃・遺品整理の業者などとも連携しお客様のご対応にあたっています。

孤独死を防ぐためにできること

ここからは孤独死を未然に防ぐための手段を解説します。

そもそも孤独死は次のようなケースで発生することが多いので、当てはまる方はとくに注意してください。

●高齢者

●独身者(死別、離婚の方も含む)

●親族がいない、親族付き合いがない

●持病がある

「生前対策」として検討すべきなのは、下記となります。

(1)任意後見制度の活用

高齢者が判断能力を失う前に、信頼できる人に生活・医療・財産管理を委ねる制度です。司法書士が任意後見契約の作成や相談に応じます。

(2)家族信託の設計

認知症などによる財産凍結を防ぐ目的で、事前に財産管理・処分の権限を家族に委ねておく仕組みです。

不動産の名義を変更せずに活用できる点が魅力で、空き家対策や売却の道も開けます。

(3)見守りサービスとの連携

自治体によっては、福祉サービスの一環として高齢者宅を定期的に訪問し、孤独死の予防や早期発見につなげる取り組みが実施されています。

たとえば神奈川県では、「地域見守り活動」に関する協定を県と締結した新聞販売店や宅配業者などが、配達の際に異変を察知した場合、警察や消防に通報できる体制を整えています。新聞が数日分溜まっている、インターホンに応答がないといった状況が通報のきっかけとなります。

こうした取り組みは、地域における早期の安否確認に役立っており、住民票がある自治体で利用可能な見守りサービスの内容は、各市区町村のWEBサイトや福祉窓口で確認できます。

司法書士である筆者からも、依頼者が高齢独り暮らしの場合、見守り制度の活用を提案することがリスク管理の一環となります。

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