本財団担当者が見た「宝箱グループホーム ななほし」助成事業の魅力
最後に日本財団の事業担当者・宮原幸世(みやはら・こうせい)さんから、たからばこが取り組む「宝箱グループホーム ななほし」の事業の魅力について聞きました。
——同事業の助成につながったポイントはなんでしょう。
宮原さん(以下、敬称略):いま、強度行動障害のある方の支援に携わる人材は全国的に不足しており、そのため受け入れ先が限られてしまい、ご家族の方の大きな介護負担が課題となっています。
そのような背景の中、たからばこは福岡県と連携し、柳川市を中心に行政・医療機関・障害者支援施設などの協働体制を構築されました。グループホームにおいて支援人材を育成する研修を行うことで、地域全体の受け入れ体制の強化および家族の負担軽減を目指しています。
また、研修には県内各地からの参加も見込まれ、他地域への広がりも期待される先進的なモデル事業と考え、助成に至りました。
——同事業のどのような点に期待されますか。
宮原:たからばこのグループホームには「集中支援室」が備えられており、精神科病院から退院された方が、スムーズな地域移行のために集中的な支援を受けて生活リズムを整えることを目的とした支援を行うことができます。また、自団体のみならず強度行動障害のある方の支援に関心のある地元のグループホーム・生活介護事業所や放課後等デイサービス事業所に参加を募り、研修を実施することで、地域の支援人材の育成にも活用されることを期待しています。
そのことにより支援人材が増え、精神科病院に入院されている強度行動障害のある方が、一人でも多く地域移行することで、ご本人やご家族の方が望む生活を送れるようになることを願っています。
日本財団から社会福祉法人たからばこへの助成額
8,924万円(2024年度)
撮影:十河英三郎