フジテレビ系列のドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』が、大浦きららさん(撮影当時38歳)に密着した回だ(2017年2月放送)。
男性として生まれながら性自認は女性のきららさんは、「450万円の借金」を工事現場での日雇いバイト(日給8千円)で返済しつつ、地下アイドルとしても奮闘。生活は困窮しており、ガスの契約をしていないために冷水で行水をしたり、鳥のエサ用の「くず米」を食べる姿はショッキングでさえあった。
あれから8年、きららさんはどのような生活を送っているのだろうか。本人を直撃した。

◆“返済生活”のその後は…
ーー2017年の時点では、お金を貸した知人と連絡が取れなくなったり、返済してもらえなかったりしたことから、ご自身が借金の返済に追われる生活でした。あれから8年が経ちますが、完済できましたか?大浦きらら:番組の放送があった年の終わりごろに、自己破産をして。翌年に免責許可が降りて返済義務がなくなりました。
ーー番組内で「自己破産して返済義務がなくなると、貸してくれた人を裏切るようなのでしたくない」と発言されていましたが、心境の変化があったのでしょうか。
大浦きらら:“状況”の変化ですね。返せるうちは頑張っていましたが、バイト中の転落事故で腕を骨折して働けなくなり、復帰してからは日給が下がり……。それにくわえ、借金を返すためにほかの金融機関で借りることもあったのですが、信用が下がったのか、カードの審査が通らなくなりました。今までのサイクルが止まったことで返済が滞れば、先方に迷惑をかけると思い、その前に自己破産しました。
ーー返済義務がなくなり、生活に充てられるお金は増えましたか?
大浦きらら:少しは。でも、年収は250万円くらいで、そこから税金などが引かれるので、使えるお金は200万円以下です。
ーーくず米は今も?
大浦きらら:もう食べていません。くず米は虫が湧くのも早くて、一番困っていた時はそれでも食べていたんですが、やっぱり嫌ですしね。今は、「古古古米」を食べていますが、くず米に比べたら格段に美味しいですよ。
◆実はショーパブが辛かった

大浦きらら:結論から言えば、なりませんでしたね。ただ、ブログに力を入れたいからという理由は、正直言って建前でした。
ーー本音を教えていただけますか?
大浦きらら:「お店が悪いわけじゃない」という前提で聞いてください。実はショーパブが辛かったんです。ダンスがとても苦手だったこともあって、毎日のレッスンが精神的にもキツくて。あと、お酒を飲むことも仕事なんですけど、二日酔いで何もできない状態が続いていたんです。家は汚くなっていくし、ブログにも手がつけられなくなって……。やむをえず距離を置こうと思い、週一くらいの勤務にしてもらいました。
ーー辞めるのではなく、距離を置いたのは、なぜですか?
大浦きらら:放送を見て来店された方がいた時に「もう辞めました」というのは、あまりにも義理が立たないと思って。番組の撮影にも協力してもらったわけですから。

