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ナイキのエアフォース1が「歩きづらい理由」とは?予約の取れないシューフィッターが教える“痛くならない靴”の選びかた

ナイキのエアフォース1が「歩きづらい理由」とは?予約の取れないシューフィッターが教える“痛くならない靴”の選びかた

◆カカトの小さい日本人の足。見過ごされてきた事実

日本人の足の特徴は「幅広甲高」だと言われていますが、実際はどうなんですか?

「私は2011年にシューフィッターになって以来、老若男女、外国人を含めて約2万人以上の足をさわってきましたが、そこまで偏った傾向はありません。もちろん、幅広甲高の方もいますが、足の幅が狭くて靴が見つからずに困っている人の方がよほど多いですね」

では日本人の足の特徴とは?

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カカトが小さいスニーカーといえば、ミズノのMR-1。1万6940円。写真は公式HPより
「この事実をまずは知ってください。個人差を超えて、日本人にほぼ共通しているのはカカトが小さいということです。日本人は幅広甲高なのではなくて、圧倒的にカカトが小さい。年代も性別も関係ありません。どんなに幅の広い足でも、狭くて華奢な足でも、外国人と比較すると、カカトのボリュームだけは本当に小さいです。基本的にはカカトの小さい靴を選ぶことが重要です。ただし、カカトの小さい靴は生産コストが高いので、よくよく選ぶ必要があります。スニーカーでいえば、ミズノ、オニツカ/アシックス、ブルックス、ニューバランスの高価格帯のモデル、リーボック、アルトラ、パトリックあたりから選ぶといいでしょう」

そもそもなぜ、カカトが小さいのでしょうか?

「断言はできませんが、かなりの確率で遺伝だと思います。日本人が普通に靴を履くようになったのは昭和になってからで、100年程度の歴史です。1300年以上前の奈良時代から明治まで、日本人は庶民から貴族、武家に至るまでワラジや下駄、雪駄を履いて暮らしてきたのです。ワラジで歩くときは、ほとんどカカトを使っていません。足が接地した次の瞬間に体重がつま先に移動しないと脱げてしまうからです。結果カカトが必然的に小さくなった可能性が大きいと個人的には考えています。靴という履物との相性が悪いのは確かです」

◆靴ずれの原因は靴が「ゆるい」から

靴ずれの原因も誤解されていますね。

「靴ずれは、きつい靴のせいと勘違いされていますが、足指と靴の間に隙間ができて摩擦を起こすことが原因です。足が靴のなかで遊んでしまうと、足元は不安定になり、上半身が揺れて歩くフォームが悪くなります。巻き爪や小指の痛みなどのトラブルのほとんども、ゆるすぎる靴が原因と言ってもいいでしょう」

るすぎる靴は何か調整できる方法はありますか?

「サイズ調整のために中敷きが登場するのですが、中敷きで底上げをすると、全体的にきつくなるので一応はインステップポイント(足の甲の一番高いところ)をおさえることができます。しかし、デメリットのほうが多い。まず、解剖学的に見ても、甲だけではなくつま先も下から押されて圧迫されるので爪が痛みます。また、カカトが浅くなってかえって脱げやすくなります。次に、脱げないように足が頑張ってしまうので、疲れます。靴メーカーも設計するときに、よほどデザインにこだわらない限り、履きやすい、歩きやすい靴を目指しています。つま先のスペースはしかるべきボリュームを持たせ、カカト周りもカカトがきちんと収まる深さを狙って、ミリ単位でつくっています。中敷きで底上げをしてしまうとその設計はすべて狂います」

では何を使えばいいのですか?

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タンパッドで甲のインステップポイントをおさえればカカトが脱げにくくなる
「使うべきは中敷きではなく、左右揃えて1000円もしないタンパッドです。個人的な体感値ですが、このアイテムで99%解決できます。ローファーもスリッポンも、ベロがペラペラに薄いものが多く、その裏からタンパッドを貼れば、ベロがスニーカー並みにふかふかになります。しっかりと甲をおさえることができるので足が固定され、靴ずれが起きにくくなります。この甲をおさえるというのがコツで、どんな靴でも必ず甲でおさえて履いています。テコの原理で甲さえおさえることができれば、足首もつま先も手品のようにフィットするようになります」


配信元: 日刊SPA!

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