ドジャースは、ナ・リーグ優勝決定シリーズでブルワーズをスイープ。一方、ブルージェイズはマリナーズとのア・リーグ優勝決定シリーズが第7戦までもつれ込む大激戦だった。
同シリーズは、第2戦を終えて0勝2敗、第5戦を終えて2勝3敗、そして3勝3敗で迎えた第7戦も7回途中まで2点ビハインド。ブルージェイズはそんな数々の逆境をはねのけて、実に32年ぶりに世界一を決める舞台に駒を進めた。
◆長年低迷したブルージェイズが32年ぶりにWSへ

その後は、ヤンキースやレッドソックスなど強豪ひしめくア・リーグ東地区で苦しいシーズンが続いたのは言うまでもない。1994年以降、地区優勝を遂げたのは2015年、そして今季が過去約30年間で2度目だった。
昨季は74勝88敗の成績で地区最下位に沈んだブルージェイズは、今季も前評判は高くなかった。しかし、開幕から安定した戦いぶりを見せ、首位争いを繰り広げると、最後はヤンキースとの激戦を直接対決の勝敗差で制し、ア・リーグ最高勝率の第1シードとしてポストシーズンを迎えた。
◆“チーム解体危機”からの復活劇
結果的に32年ぶりにア・リーグ制覇を遂げたブルージェイズだが、ほんの数か月前は“チーム解体”の危機に直面していた。チームの顔でもある主砲ブラディミール・ゲレーロJr.と今季開幕直後に14年5億ドル(当時のレートで約730億円)の大型契約を結んだが、それまではFAを前に他球団へ放出される可能性が噂されていた。
他にも、昨季オフにスター遊撃手のボー・ビシェットの放出が取り沙汰されるなど、チームは再建モード入りの一歩手前だった。

