3.退職代行を利用する際の注意点
会社からの連絡は断てない
転職代行を使っても、会社からの電話やメールを完全に防ぐことはできません。会社からの連絡には、業務に関する確認事項や退職に関する書類の送付などがあり、退職後にやりとりが必要となるケースもあります。
また、退職代行サービスが対応するのは退職までの期間が一般的で、退職後までのサポートは含まれないことを理解しておきましょう。
物品の返却・持ち帰りが発生する
制服や入館証、パソコンなど会社から貸与された物品は、退職前に返却しておくか、代行サービス利用後に郵送するなどして返却が必要です。また、会社に私物を置いている場合も、引き取りに行くか郵送の依頼が必要となるため、退職前に片付けておくとよいでしょう。
引き継ぎは必要
担当していた業務の確認目的で、退職後に会社から連絡がくることもあります。そのような事態を避けたい場合は、あらかじめ引き継ぎ事項をまとめ、さらにマニュアルを作成するなどして後任者の負担を軽減しましょう。
社宅の場合は転居先を確保する
社宅や会社の寮に住んでいる場合、退職日までに退去が必要となるケースもあります。まずは就業規則を確認して、退去期限を把握しましょう。時間的に余裕を持って、新しい住居の確保や引っ越し準備を進めることが大切です。
4.退職前に知っておきたいこと
少子高齢化による慢性的な人手不足により転職のハードルが下がり、労働市場では人材の流動化が起きています。一方、企業側は人材確保の難しさなどから退職に懸念を示すケースや、退職に関連したトラブルに発展することもあります。

実際に、2023年度における総合労働相談コーナー*に寄せられた労働関係紛争に関する相談件数は31万件を超えており、そのうち「いじめ・嫌がらせ」が約6万件と最も多く、次いで自己都合退職が約4万件、労働条件の引き下げが約3万件という結果です。労働環境や退職にまつわる悩みが多いことが伺えます。
*都道府県労働局と労働基準監督署内の全379ヶ所
職場に退職を言い出しにくい事情があったり、引き止められたりした場合は、退職代行を使うのも選択肢のひとつでしょう。
また、退職前後に必要な手続きを知っておくと、手続き漏れを防ぐことができます。
退職前後の手続きを解説! 社会保険、税金はどうすればいい?
誰も教えてくれない退職届の書き方と渡し方(テンプレ付き)

