◆既製品では100万円を超える
スーツ製品だけでなく、生地単体で世界中のテーラー(仕立て人)に卸しているため、スーツに関わる仕事をしている人ならば誰でも「世界最高のスーツ生地は?」と言われれば、ゼニアと答えるでしょう。同ブランドはフルオーダーのサービスも展開していますが、既製品でもなんと100万円を超えることも。私も一着しか持っていませんが……まさに一張羅の最高峰と呼べるでしょう。世界最高のスーツ、世界最高のスーツ生地、そのいずれも認められているゼニアならばイケオジとして文句のない逸品です……しかし、当然こんな値段、宝くじでも当たらない限り出せるわけもありません。たかがスーツに100万円てアホかと思う人もいるでしょう。
・FABRIC TOKYO

私はFABRIC TOKYOのオーダースーツがおすすめ。こちらは店舗で計測・オンラインで購入という珍しい形式のオーダースーツブランド。
価格帯は4万5000円〜とオーダースーツにしてはかなりお値打ち。なぜこのブランドがおすすめかというと……まず「そもそもスーツはどこで差がつくのか?」を考えると理解できるかと思います。
◆素材で差別化するというのは相応のコストが必要

・デザイン
・シルエット
・素材/色
しかし、カジュアル服ならばまだしも、スーツのデザインなんてどれも似たり寄ったり。もちろんダブルにするとか3ボタンにするとか選択肢こそありますが、一般的なスタンダードスーツと言われれば皆選ぶデザインなどほぼ同じです。
ダブルや3つボタンなどは遊びスーツであり、一張羅としてスタンダードな逸品を求めるならさして変わらない。そこで差がつくことなどほぼありません。
また、色も黒・ネイビー……もしくはせいぜいグレーのいずれか。一張羅と考えるならビジネス向けならネイビー、幅広く使うか礼服として活用するならブラックくらいしかないでしょう。カジュアルなら色の組み合わせでおしゃれを演出できますが、「色でスーツを差別化する」など一張羅としてはあまり一般的ではないでしょう。
素材はもちろんスーツ差別化の大きな要素と言えますが……しかし、考えてみてください。実生活で「あの人のスーツ素材がいいな!」と思ったことありますか?? テレビで政治家を見て「いい生地だな!」と思ったことが一度でもあるでしょうか? 素材で差別化するというのは相応のコストが必要です。
それこそゼニアの生地などであれば誰もがわかるレベルでしょうが……現実的な価格で素材の差別化はなかなか難しいものです。
もちろん「着こなし(コーディネート)で差別化できるか?」と言われてもスーツの着こなしなんて決まりきってる。では「差別化はどこですべきか?」と言われると当然残された要素である「シルエット」です。

