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高市政権で「日本は右傾化」するのか?欧米先進国が“保守化する”必然性から探る

高市政権で「日本は右傾化」するのか?欧米先進国が“保守化する”必然性から探る

―[世界と比較する日本の保守化]―

難産の末に生まれた高市政権。日本では初の女性首相とあってすんなり決まるかと思いきや、ここまでもつれたのはやはり高市氏につきまとう“極右”のイメージゆえだろう。近年、“日本人ファースト”を掲げる参政党が躍進するなど、日本で「右傾化」「保守化」が取り沙汰されているが、そもそも“アメリカ・ファースト”を掲げるトランプ政権をはじめ、こうした流れは日本だけに留まらない。

では、世界と比較した時、日本は客観的にどのような地点に今、位置しているのか? 

そこで、元国連職員でロンドン在住の著述家・谷本真由美氏(Xでは“めいろま”としてフォロワー25万人)による新連載「世界と比較する日本の保守化」がスタート。一般的な“保守VSリベラル”の対立軸とは異なる、世界のリアルな実情をお伝えする。

高市早苗
写真/産経新聞社

◆日本人は世界の保守化の本質を理解していない

世界では、ここ最近、これまではリベラルや左翼が強かった国でも保守的な考え方を支援する人々が激増しており、大きな波になっている。この保守化の流れはアメリカを始めとして欧州の主要先進国だけではなく、東欧や南アジアまでも含んだ大きなうねりになっている。

日本ではこの保守化の流れは特定国や政治家によって仕込まれたものであると言う論調がメディアを賑わせているが、 しかし実際にそうなのだろうか?
また、他の国の保守化の流れと日本との違いはなにか?

日本のメディアだけを見ていると、なぜ世界がこんなに保守化しているのかわかりにくいが、 欧州と日本を往復している私からすると日本人はその背景を充分理解していないように思う。

◆日本人が無視してきたグローバル化の流れ

先進国の保守化に関して 日本人が 一番最初に思い起こすのがアメリカだろう。

例えば、90年代のクリントン政権の頃はグローバル化を推進し、当時の世界経済の自由化の波に乗る「経済的リベラリズム」と「治安・国境管理の強化」の二つが共存する政策を実施していた。

1990年代のアメリカは、冷戦終結により、国家間の移動がより緊密になり、より開けた世界、より自由な貿易、より自由な人の移動を促進し、世界経済の繋がりが強化される中で、自国をより豊かにするという課題を抱えていた。

1994年には貿易協定であるNAFTA(北米自由貿易協定) を締結し、関税の撤廃、投資の自由化、労働条件の均一化によりカナダとメキシコとの経済的結びつきを強化した。

しかし人の移動や貿易の自由化は様々なマイナス面ももたらした。

アメリカの調査機関であるピューリサーチによれば、90年代には年間平均でおよそ110万人程度の移民がアメリカに流入し、ピーク時の2000年には150万人に達している。

ところがその一方で、当時のクリントン政権はIT改革の波に乗るために技能労働者向けのビザである「H1-B」の上限を大幅に上げた。

高度な技能を持つIT系技術者等は主にカリフォルニアや東海岸に在住し、そのままアメリカに移住した。 彼らの多くは、地元の平均的なアメリカ人に比べるとはるかに高い報酬を得ていた。

その一方で、クリントン政権下では、カリフォルニアなどでの不法移民問題が顕在化し、不法滞在者や低賃金移民には厳しい政策を取っていた。

今であれば 超保守系の排他主義と言われてしまうような厳しい移民政策を行っていたのである。これは、日本だけではなく各国のリベラルや左翼が指摘しない非常に都合が悪い事実である。


配信元: 日刊SPA!

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