「子供が成長して、あまり使わなくなった和室を活用したい」
「和室の畳のささくれや壁の劣化が気になる」
「おしゃれでモダンな和室にリフォームしたい!」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
ライフスタイルの変化とともに、和室の役割も見直したいと考えるご家庭は少なくありません。しかし、気になるのが「リフォームに一体いくらかかるのか」という費用面です。
そこでこの記事では、次のような和室リフォームにかかる費用を詳しく解説します。
和室から洋室へのリフォーム
モダンな和室へのリフォーム
和室をリビングと一体化するリフォーム
この記事では、ご自宅の和室に合ったリフォームの具体的な費用感と具体的な実例をご紹介します。理想の和室空間を実現する第一歩を踏み出すために、ぜひ最後までご覧ください。
1.【早見表】和室リフォームの費用相場
まずは、和室リフォームの目的別に、費用相場と主な工事内容を一覧で見てみましょう。ご自身がイメージするリフォームがどれに当てはまるか、大まかな予算を掴む参考にしてください。
| 目的 | 費用相場 | 主なリフォーム内 |
|---|---|---|
| 和室を洋室に近づける | 25~60万円 | 畳をフローリングに 塗壁をクロスに 襖を洋風ドアに 押入れをクローゼットに変更 など |
| 和室を完全に洋室化する | 75~100万円 | 内装解体して真壁から大壁へ変更 床・壁・天井の張り替え 建具交換 収納造作 など |
| モダン和室にリフォーム | 35~75万円 | 琉球畳への交換 アクセントクロスの採用 照明器具の交換 建具変更 など |
| リビングと一体化させる | 75~100万円 | 間仕切り壁の撤去 床の段差解消 内装仕上げ など |
▼リフォーム費用の相場については、こちらの記事もご参照ください。
2.和室を洋室化!おすすめのリフォーム内容と費用相場
ここからは、最もご要望の多い「和室から洋室へのリフォーム」について、工事内容ごとの費用相場と期間を詳しく見ていきましょう。6畳と8畳の部屋の広さ別に費用をまとめました。
| 部位 | 工事内容 | 費用相場(6畳) | 費用相場(8畳) | 工期の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 床 | 畳 ⇒ フローリング | 9~25万円 | 12~30万円 | 1~3日 |
| 壁 | 砂壁・京壁など ⇒ クロス | 4.5~20万円 | 6~25万円 | 1~2日 |
| 天井 | 板張りなど ⇒ クロス | 3.5~10万円 | 4~12万円 | 1日 |
| 建具 | 襖 ⇒ ドア・引き戸 | 5~15万円 (1箇所) |
5~15万円 (1箇所) |
0.5~2日 |
| 収納 | 押入れ ⇒ クローゼット | 8~25万円 (1箇所) |
8~25万円 (1箇所) |
2~4日 |
これらの工事を組み合わせることで、和室の雰囲気を残しつつ洋室の使いやすさを取り入れたり、完全に洋室へと生まれ変わらせたりすることができます。それぞれの工事について、詳しく解説します。
床を畳からフローリングに張り替える費用
【費用相場】9~25万円(6畳)/12~30万円(8畳)
【工事期間】1~3日
和室から洋室へのリフォームで、最も代表的な工事が床のフローリング化です。畳を撤去し、フローリングを張ることで、部屋の印象が大きく変わります。
それだけでなく、掃除がしやすくなるうえにベッドやテーブルなどの重い家具も気兼ねなく置けるようになります。
費用は、使用するフローリング材の種類によって変動します。
複合フローリング:合板の表面に化粧材を張り合わせたもので、安価で傷に強く、デザインも豊富です。
無垢フローリング:天然木を一枚板に加工したもので、価格は高めですが、木の温もりや経年変化を楽しめるのが魅力です。
また、畳には6cm程度の厚みがあるため、畳を撤去しただけでは隣の部屋との間に段差ができてしまいます。
そのため、フローリングを張る前に「下地調整」を行い、高さを揃える工事が必要です。
見積もりを取る際は、畳の撤去・処分費用や下地調整費用が含まれているかを必ず確認しましょう。
【コラム】フローリングの種類と費用、マンションの場合は防音性にも注意!
洋室の床材は、フローリングの他にビニール製の「クッションフロア」などもあります。
クッションフロアは安価で耐水性に優れていますが、キズが付きやすく家具の重さで凹み跡ができるというデメリットもあります。
<畳から各床材に張り替える費用相場(6畳の場合)>
| 床材 | 費用相場(6畳の場合) |
|---|---|
| クッションフロア | 約10万円 |
| 複合フローリング(防音なし) | 約15万円 |
| 複合フローリング(防音あり) | 約20万円 |
| 無垢フローリング(防音なし) | 約22万円 |
| 無垢フローリング(防音あり) | 約28万円 |
※床暖房を設置する場合は、上記に30〜40万円ほど追加費用がかかります。
マンションの場合は、管理規約によって床材の防音性能(遮音等級)が定められていることがあります。
リフォームで下階の住人とトラブルにならないよう、事前に必ず管理規約を確認し、規定に合った床材を選ぶようにしましょう。
▼関連記事
和室の畳をフローリングにリフォームするには?費用と注意点
砂壁・京壁からクロスに変更する費用
【費用相場】4.5~20万円(6畳)/6~25万円(8畳)
【工事期間】1~2日
砂壁や京壁、土壁といった塗り壁は、経年劣化で剥がれ落ちてきたり、汚れやシミが目立つことがあります。
そこで、壁をビニールクロスに替えることで掃除も簡単になり、部屋全体が明るくなる効果もあります。
ただし、既存の塗り壁の上に直接クロスを張ることはできません。下地ボードなどを張ってからクロスを施工する必要があります。
状態によっては、古い壁を剥がす作業が必要になることもあり、その場合は費用が高くなります。
また、長年の湿気で壁の内部にカビが発生している場合は、下地の補修や交換に追加費用がかかることもあります。
天井をクロスに張り替える費用
【費用相場】3.5~10万円(6畳)/4~12万円(8畳)
【工事期間】1日
和室の天井には、木材を張った「板張り天井」や「竿縁天井」が多く採用されています。
天井もクロス張りにすることで部屋に統一感が生まれ、より洋室らしいスッキリとした空間になります。
壁と同様、既存の天井材の上にボードなどで下地を作ってからクロスを張るのが一般的です。
リフォームを機に、古くなった照明器具を新しいシーリングライトやダウンライトに交換するのもおすすめです。
電気工事費は別途かかりますが、天井の工事と同時に行うと効率的です。
襖(ふすま)を洋室ドア・引き戸に変更する費用
【費用相場】5~15万円(1箇所あたり)
【工事期間】0.5~2日
リビングとの仕切りや押入れに使われている襖を、洋室に合うドアや引き戸に交換するリフォームです。
襖のままではどうしても和室のイメージが残ってしまいますが、建具を変えるだけで空間の印象はガラリと変わります。
襖から引戸へ変更する場合には敷居と鴨居がそのまま利用できますが、ドアに交換する場合は新規にドア枠を設置する工事が必要になることが多く、その分の費用がかかります。
押入れをクローゼットに変更する費用
【費用相場】8~25万円(1箇所あたり)
【工事期間】2~4日
伝統的な中段・枕棚タイプの押入れは布団を収納するには便利ですが、収納としては奥行きがあるうえに棚が少なく使いづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、押入れにハンガーパイプを取り付けて洋服をかけたり、小棚を設置してバッグや小物を整理したりできるようにすると、収納力が格段にアップします。
押入れの襖を「折れ戸」や「観音開き戸」などに変更すれば、間口も広がり、より使い勝手が良くなるでしょう。

