金以外の貴金属市場の動き
金以外の貴金属市場も活況を呈している。銀は2025年9月22日時点で1オンス=43.7727ドルまで上昇し、iシェアーズ・シルバー・トラスト関連のオプション取引は2024年4月以来の高水準となる120万枚に急増した。プラチナ価格について、吉田氏は下記のように指摘する。
「プラチナも金に影響されやすく、金が上がれば反応するし、FRBの利下げや地政学リスクが絡むと反発しやすくなります。産業用需要もあるので短期的には動きやすいといえます」
価格上昇の論拠と今後の見通し/下落する場合はどんなシナリオ?
金価格が上昇し、高くて手が出せないという個人投資家の声もある。吉田氏は「今の値上がりは背景が説明できる範囲内で、根拠のないバブル的な熱狂とは違う」「需要や政策、地政学リスクなど複合的な要因が価格を支えている」との見解だ。
逆に、金価格が下落するシナリオとしては、地政学リスクの沈静化や米国の利下げムードが利上げに傾くことが重なる場合だという。
吉田氏によれば、米国の金利低下は利息を生まない金にとって買い材料であり、世界的な不安要素も相まって、当面は高値圏での推移が続く可能性が高く、投資家の間では、安全資産としての金の需要が一段と高まる見通しのようだ。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
