◆女優生命が延びていることによる影響

しかし、プロダクションがなくなるのはそこまで“あるある話”でもない。今は出演すれば即数百万円が手に入る世界ではなく、売れる演者も限られている。全体的な女優生命が延びているゆえに、持久走のようなイメージへと変化し、「サッと稼いでサッとやめる」風潮が薄れてしまった。
これが運営側にも影響している。つまり会社としても、簡単に会社を潰して別事業を始めるような時代ではなくなっているのだ。
◆AV新法の導入による影響は…
最近はAV新法の導入により、プロダクションは連盟に加入しなければ「適正プロダクション」として扱われず、大々的な行動が不可能だ。新設のハードルが高い分、どこもやるからには本気である。プロダクションの乱立もなく、みんな慎重に事を進めているからこそ、解散は“あるある話”と言い難いという結論へ辿り着く。たとえ儲かっていたとしても、何らかの事情でプロダクションが倒産すれば、演者は振り回されてしまう。どこも“倒れる予兆”は確かにあるものの、それを嗅ぎ取って動ける人などごく一部だ。
しばらくはセクシー業界もこの手の事件が起きないとは思うけれど、先のことは誰にもわからない。本当に人気商売とは足場が安定しない世界だと、今回の出来事を振り返って改めて思う私がいた。
文/たかなし亜妖
―[元セクシー女優のよもやま話]―
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

