◆親は注意も謝罪もせず…
ほかの乗客に迷惑をかけているため、普通の親であれば我が子を注意し、相手に謝罪するところだが、男児の両親は完全にこれをスルー。吉崎さんも同じ年頃の子供がおり、この無関心ぶりは衝撃だったようだ。「新幹線に乗っていると、家族連れはよく見かけますし、通路を駆け回る子や騒ぐ子もいます。ただ、そういう場合は親もしっかり注意していますし、外国人家族でもそれまで私が遭遇したケースではちゃんと叱っていました。私も電車内でウチの子がマナーに反した行動を取った際には『それはやっちゃダメ』と言いますし、それが親としてするべきことだと思います。もちろん、男の子やその親に対して注意するような勇気も行動力も私にはなかったですけど、同じ親として考えさせられるところはありました」
男児はすぐ自分の席に戻ったが、初老夫婦にとっては想定外の出来事だったのだろう。男児に声をかけることもできずに戸惑っているように見えだが、男児は富士山を一度見ただけでは満足できなかったのか、1分も経たないうちに再び襲来したという。
◆初老夫婦の夫が取った“思いもよらない行動”
ところが、初老夫婦の夫がここで思いもよらない行動に出る。窓のブラインドを全部下ろし、車窓からの景色を見えないようにしてしまったのだ。「先程と同じように通路側席の奥さんの足元に入り込んできたため、男の子に対する嫌がらせをしたのでしょう。もしくは注意しない親に対する静かな反撃だったのかもしれません。その日の晩、妻にこの時の出来事を話すと『ちょっと大人げないんじゃない?』と言ってましたが、男の子もその両親からも一言断りを入れることもなければ、お礼も謝罪の言葉も述べていません。まあ、妻が言うこともわからないでもないですが、私がこの旦那さんの立場でも同じことをしたでしょうね」

