* * *
多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、そこに上司や先輩を困らせる“自分勝手な新入社員”が紛れ込んでくることもあるのだ。“個”が尊重される時代においても、組織としては悩ましい問題である——。

結果的には即戦力どころか、周囲からは“モンスター新入社員”扱い。すぐに辞めることになってしまった二人のエピソードを紹介しよう。
◆上司や先輩の助言を一切無視する新入社員
情報システム部に在籍している田中初美さん(仮名・30代)が、会社のDX化を目的として、5年ぶりに新入社員が配属されたときのエピソードを教えてくれた。「彼は大人しそうな見た目に反して、自分の意見をきちんと言える、電話も積極的に出ることから、最初の印象は悪くはなかったのですが……」
職場は浮き足立ちながらも新入社員Aを歓迎したが、彼との溝は深まるばかりだったという。
田中さんの部署の主な業務は、既存システムの修繕や各部署のトラブル対応など。先輩社員とペアになり、いつでもフォローできる体制にしていたそうだ。
Aには、こう伝えていたという。
「問題が起きても怒らないので、必ず連絡すること、分からないことは無理に一人で対応せず、先輩に相談することを徹底してほしいと伝えていました。最初から『失敗=悪いこと』という認識にはならないように配慮していたのですが、Aがシステムのトラブル対応をする度に、各部署からクレームが入るようになったんです」
それは、Aに業務を一人で任せるようになってすぐのことだった。業務を抱え込むようになり、上司や同僚の知らないところで問題を起こすようになったのだ。
◆社内でクレームの嵐! システムを直すどころか、無茶苦茶に悪化
「Aは、自分で処理ができないにもかかわらず、トラブル対応をすべて引き受けようとする。挙げ句の果てにシステムを無茶苦茶にして悪化させてしまうトラブルメーカーでした。結局フォローする羽目になるので、問題が起きたらすぐ連絡するように伝えたのですが……。彼はムッとするばかりで、受け入れようとしない。その後も同じことが何度も続きました。さすがに連続で起きたときは、強めに言わないと分からないと思い、『なぜ勝手な行動を繰り返すのか、連絡をくれないと困る』と伝えたところ、なんと逆ギレ!」
Aは、「トラブル対応してやってるのに、なぜ文句を言われなければならないのか分からない」と主張する。さらに、「評価をしてくれない上司に対して不信感をもっている」とまで言ったという。

