いつまでも輝く女性に ranune
満足感を味わいながら食欲を抑える…“ストレスフリーなダイエット”を助ける「心強い一品」の正体【医師が解説】

満足感を味わいながら食欲を抑える…“ストレスフリーなダイエット”を助ける「心強い一品」の正体【医師が解説】

料理をする余裕がない。そんなときついつい頼ってしまう食べ物があります。しかし、そんな「手間のかからない食事」が肥満の原因になっているかもしれません。肥満・脂肪肝の専門医である尾形哲氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術【増補改訂版】』(KADOKAWA)より、40代女性の事例をもとにみていきましょう。

〈本記事の登場人物〉

■山口 真理子さん(45歳・女性)

40代半ば過ぎの独身看護師。仕事の忙しさやストレスからくる不摂生な生活がたたり、体重は増加。疲れやすさや体の重さを感じて検査を受けたところ、肥満・肝機能障害・高血圧を指摘されてしまい、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善を専門とする『スマート外来』を受診することに。料理がおっくうになり、食事が偏っている自覚はあったが……

太る原因の一端となったのは手間のかからない「食事」

「食事の対策も改めて見直していきましょう。食事の記録を見ると、野菜が少し足りていないかもしれませんね。先ほどのお話で便秘になることがあるということでしたが、野菜をしっかり摂ることも有効な便秘対策になります。野菜についてはどうですか?」

「お菓子やデザートを減らしてタンパク質を増やすことはわりとムリなくできたんですが、確かに野菜については気が回っていないところですね。サラダとか、野菜の多いお惣菜を加えるようにしたらいいのかしら」

先生に言われて、ここは耳の痛いところだった。もともと料理は嫌いなわけではなく、むしろ好きなほうだった。休日に時間をかけて凝った料理を作ったり、家に友人を呼んでもてなしたりするのも好きだったのだ。

でも、このところは休む暇があるなら寝ていたいと思ってしまうので、食事も冷凍食品やスーパーやコンビニのお弁当などで済ませがちだ。食品売り場に行くと、最近はクリームたっぷりの菓子パンやお惣菜パンも多いので、ついあれこれ試したくなってしまう。そもそも、夜勤でこうしたパンや手間のかからないカップ麺を食べることが増えて、それが太る原因の一端になったのだった。

「野菜はビタミンや食物繊維も摂れますし、野菜をたっぷり摂るようにすると、満足感を味わいながら食欲にブレーキをかけることができます。手作りがムリでも、加工食品よりはお惣菜や宅配弁当などを選ぶといいですね」

「母の手続きが無事に進んだら時間もできるかもしれないので、もう少し自分で料理をしたいと思っているんですが……」

簡単に作れる野菜スープが減量の味方

お弁当を野菜たっぷりのスープにすることをおすすめします。真理子さん、スープジャーをお持ちですか? 広口の保温容器です。このジャーのいいところは、時短でスープが作れるところです。例えば、一口大の野菜にコンソメと切ったとり肉を入れて火にかける。沸騰させた状態でジャーに入れると、60℃くらいで中の温度がキープされるので、半煮えでジャーに入れても、昼にはすべての具材に火が通ったスープになっていますよ」

確かにそれなら手間も減るだろうし、罪悪感に苛さいなまれながら食事をするより精神的にもいいだろう。

「夜勤のときには、出勤前の食事のときにスープを作ってしまって、夜勤に持っていくといいでしょう」

そのほかに先生は冬ならではの鍋物もおすすめだと教えてくれた。白菜や春菊、大根、にんじん、しいたけやしめじなどのきのこ類も入れた鍋なら、お腹いっぱいに食べても大丈夫だと。

また、通常ビタミンCは加熱すると壊れてしまうが、野菜に含まれるビタミンCはスープを汁ごと飲めば摂れるという。

「野菜をたっぷり摂って肝臓に負担のかからない食べ方を続ければ、脂肪は肝臓から落ちていきますから健康にもなるし、体重にもきっと変化が表れますよ」

先生からの処方箋

たっぷりの野菜は食欲のブレーキになる。肝臓にいい食べ方で必ず脂肪は落ちていく。

尾形 哲
長野県佐久市立国保浅間総合病院
外科部長/「スマート外来」担当医

あなたにおすすめ