パビリオンが「来場者数と質の両立」目指すことの困難さ
一方、次回の登録博、リヤド万博を2030年に開くサウジアラビアのガーズィー・ビンザグル駐日大使は記者会見を開き、大阪・関西万博から学ぶ点に言及した。
具体的には(1)世界中に紛争や戦争がある中でも、万博は参加国・地域が提供する最高のものが集まる(2)万博は世界中の人々を結び付ける機能がある。特に若者は、優れた明日の世界を築けるという希望が持てる(3)万博が持っている使命を通じて、教育、技術や協働の重要性を強調できる、という3点をあげた。
万博の意義以外にも、技術的な面として、パビリオンの「来場者数と質の両立」を目指すことの困難さに直面したとも話した。これは、万博に限らず、一般社会でも「現実的で持続可能なもの」と「より良いものを目指す夢や目標」のバランスを取ることが必要だと指摘した。その上で、5年後に向けて
「(大阪・関西万博の)半年間で、万博が象徴する理念への信念を強めた。リヤド万博がその灯火を継承し、より高みへと旅を続けると確信している」
と話した。
6500年前のオーク集めた「文明の森」、丸ごと大阪府内に移転を模索
理念を引き継ぐ以外に、大阪・関西万博の施設が、会期後にどのような形で生かされるかもポイントだ。パソナ館やオランダ館は兵庫・淡路島に移設されるほか、いわゆる「2億円トイレ」は、河内長野市の「府立花の文化園」に移設される。
移設を模索している展示もある。そのひとつが、「文明の森」だ。一見すると単なる黒い木だが、実はチェコで発掘された6500年前のオーク。正確には化石化が進んだ「亜化石」で、1本だけでも博物館級の貴重なものだが、それを約130本展示したアートだ。
責任者のトマス・ロススタインさんによると、会期終盤は1日に2万~2万5000人が訪れたといい、
「すでに(「文明の森」は)歴史的・文化的にも意味がある場所になっている。(1本ずつバラバラにするのではなく)この『森』という形で維持したいと考えており、大阪府内の自治体と相談し、この形で永久に残せる場所を探している」
と話している。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)