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「こんな大金使った覚えないぞ…」70歳年金暮らし男性、まったく心当たりのない「57万5,500円」のクレカ請求に震え。原因は夏休みに遊びに来ていた「可愛い8歳の孫」【CFPの助言】

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「知らぬ間に課金」の被害が広がっている理由

大橋さん夫婦のケースは、決して特別な話ではありません。国民生活センターには、子どもが無断でオンラインゲームに課金してしまった、という保護者からの相談が多く寄せられているそうです。

契約当事者が小学生から高校生までの相談件数は4,024件(2022年度)で、契約購入金額の平均は約33万円と高額です。特に、スマートフォンやタブレット端末での小学生・中学生の無断課金に関する相談が目立つそうです。なぜ、これほどまでに被害が拡大してしまうのでしょうか。

・“お金を使っている感覚”を失わせるゲーム設計
「今だけ限定」「ガチャ(くじ引き)」など、子どもが夢中になる要素が巧妙に設計されています。さらに、実際のお金を「コイン」や「ジュエル」などゲーム内の通貨に置き換えることで、“お金を使っている”という実感が薄れ、ためらいなく使ってしまう仕掛けになっています。

・スマートフォンの「決済(支払い)の仕組み」を知らない
シニア世代の中には、スマホ決済の仕組みや安全設定を十分理解していない方も少なくありません。「一度クレジットカードを登録すると、次からパスワードなしで簡単に買えてしまう」「課金に制限をかける設定がある」などの基本を知らないまま使っていると、トラブルを防ぐことができません。

 オンラインゲームトラブルに巻き込まれないための予防策

大橋さん夫婦は息子夫婦にこの事実を打ち明け、この事態を招いてしまったことを謝るしかありませんでした。息子夫婦も健太くんを厳しく叱りましたが、課金してしまったお金は取り返すことができません。

法律上、「未成年者が親の同意なく結んだ契約は取り消せる」とされています。しかし、今回のように親や祖父母のスマートフォンとクレジットカードを使って課金した場合、「管理監督不行き届き」と判断され、返金が極めて困難になるケースが多いのが実情です。

大橋さん夫婦も、請求された金額の大半を支払うことになりました。年金暮らしの夫婦にとって、決して小さいとはいえない出費です。だからこそ、未然に防ぐことが何よりも重要です。オンラインゲームトラブルに巻き込まれないための予防策として、以下の点に注意しましょう。

・クレジットカード情報をスマートフォンに登録しない
最も確実な対策です。少し手間でも、購入手続きのたびにカード情報を入力するようにしましょう。

・クレジットカードの管理を徹底する
子どもが無断でクレジットカードを持ち出して利用するトラブルも起きています。クレジットカードを無断で持ち出されないよう、保管場所や管理方法を工夫しましょう。

・ペアレンタルコントロールを設定する
ゲーム端末やスマートフォンのOSによっては、あらかじめ利用できる機能に制限をかける「ペアレンタルコントロール」で、アプリのダウンロードや課金時に必ず承諾を要求する設定が可能です。利用時間や課金の上限額も設定できる機能もあるため、利用できる機能を確認して活用しましょう。

・決済方法をプリペイドカードにする
お小遣いの範囲で課金を許可する場合は、チャージした金額以上は使えないプリペイド方式がおすすめです。

・クレジットカードの利用明細をこまめに確認する
身に覚えのない請求がないか、定期的に確認する習慣をつけることで、早期発見、被害を最小限に食い止めることができます。

・ルールを家族全員で共有する
「ゲームの課金はしない」「する場合は必ず相談する」「お小遣いの範囲で」といったルールを決め、親子だけでなく祖父母も含めて家族全員で共有しましょう。

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