はじめは手術をためらいました…咽頭がんで声を失った40代夫。妻へのメモに記された“壮絶な本音”と「現収入・月50万円」の救い【FPが解説】

はじめは手術をためらいました…咽頭がんで声を失った40代夫。妻へのメモに記された“壮絶な本音”と「現収入・月50万円」の救い【FPが解説】

夫婦の家計は、“思わぬ事態”によって突然大きく変わることがあります。夫婦どちらかの「病気」も、その代表的なケースです。たとえば夫ががんを患えば、健康面の不安はもちろんのこと、働けなくなることで収入が減り、本人だけでなく家族全体の生活が危うくなる可能性があります。磯山裕樹氏の著書『夫婦貯金 年150万円の法則』(青春出版社)より、40代夫婦の事例とともに、自分と家族の人生を守るための“リスクへの備え”についてみていきましょう。

夫ががんに罹患も、「保険の見直し」で月約50万円を確保

40代男性で、ご相談の1年後に咽頭がん、舌がんに罹患されたご相談者がいます。手術で舌と声帯を摘出したので、話すことができません。声を出すことが必要な仕事をしていたので、今までと同じように働くことはできない状況です。

お客様と相談のうえ、医療保険が中心の保険から、ご相談者にとって最も大変な状況を想定し、亡くなったとき、働けなくなったときを重点的にカバーする目的で保険の内容を変更していました。その結果、65歳まで民間保険と公的保険を合わせて月約50万円を受け取れています。

手術後、落ち着いてからお伺いしたときに、ご主人は、次のように書かれました。

「手術をやろうと思ったきっかけは保険があったことでした。声を出すことが必要な仕事だったので、手術後、仕事ができなくなったら妻が私の分まで働かないといけない状態になります。だからこそ手術するのをためらいました。保険があったから仕事をしなくても家計が困らない選択肢がとれた、それが大きかったです。がんで困るのは、がんが原因で収入が減ることです。手術や治療をしても、もとのように働けない人も多くいるので、治療が終わってその先の生活が送れるかが大切です。働けなくなったときに備えることができた保険は、僕の人生を変えてくれました

もし、保険の内容を変更していなかったら、受け取れる給付金は数十万円のみでした。家族の人生は激変していたでしょう。保険に正解はありません。保険が必要かは、家計・制度・気持ちで決めることができます。本気で保険について考えたことでご相談者の今の生活があります。

家計を整えることは、自分と家族の人生を守ること

ご相談に来られた夫婦の世帯年収は、750万円以上の夫婦も、750万円未満の夫婦もいますが、年間150万円以上お金を貯めています。やったことは、「家族の幸せを夫婦で話して、家族の幸せにお金を集中し、貯蓄を自動化する」。誰でもできる内容を実践しただけです。

夫婦の人生に本気で向き合う時間をとり、家計を整えたことで、お金が貯まるだけでなく、理想の人生に向けて楽しく生活できる、ケンカが少なくなり夫婦円満になる、働けなくなっても家族が経済的に困らないなど、人生が変わっています。

夫婦でお金の話をするのは、めんどくさいと思うかもしれません。しかし、それをするかしないかで人生は良いほうにも、悪いほうにも変わります。

方向性を間違えなければちゃんと貯まる

私は高校を卒業後、香川大学に進学しましたが1年で辞めて、立命館大学に入り直しました。なぜそんなことをしたのか。私の人生で叶えたい目標があったからです。私が中学生のころから思い続けていた、バドミントンの全国大会に出場するという目標を叶えるためでした。

当時、西日本で常に上位の成績を残していた立命館大学に行って環境を変えれば、強くなれると思って行動しました。立命館大学は、全国上位の選手たちの集まりで、想像していたよりも大きな力の差がありました。私は4年間きつい練習も手を抜かず、居残りで練習もして誰より努力をしていると思っていました。その結果、入学時よりも強くはなれましたが、全国大会に出場する目標は達成できませんでした。

なぜ私は目標を達成できなかったのか。大学を入り直しても目標を達成できなかった理由は、努力の方向性を間違えていたからです。強い選手は特別な練習をしているからこそ、強いのだと考えていましたが、決してそうではありませんでした。強い選手は徹底的に基本的な練習をしていたのです。自分を追い込んで頑張る努力ではなく、基本的な練習を徹底的にやり抜く努力が必要だったのです。

家計も同じです。頑張って努力をしていても、努力の方向性を間違えていて成果がでない夫婦をこれまで見てきました。大切なのは「正しい方向性」で努力することです。誰でもできる基本的なことを正しい方向性で実践することが一番の近道です。

磯山 祐樹

磯山FP事務所

代表

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