ひし餅の餅の色には意味がある
あれこれ調べていると、まず、やずや食品『食と健康研究所』ウェブサイトにたどり着いた。それによると、ひし餅の緑は「健康や長寿」、白は「清浄」、ピンクは「魔除け」を意味している説。また、緑は「大地」、白は「雪」、ピンクは「桃」をあらわし、寒い冬が終わり雪解けが始まって、芽吹く緑と桃の花の開花などの春の訪れをあらわすという説など、諸説あるとのこと。
さらに調べてみると、ひし餅は3色に限らず。地方によっては5色(ピンク、黄色、緑、白、茶)、また、7色という場所もあるそう。昔からゲン担ぎが好きな日本人。やっぱり、色にも意味があったんですね。
ひし餅がひし形である その理由も諸説…
ては、あの形は? これも色同様に謂れが数多く存在し、どれが本当なのかわかっていないのだとか。
例えば、「ひし形は心臓をあらわしており、健康長寿への願掛け」説」のほか、「甲斐源氏武田氏の一族である小笠原氏の家紋・三階菱をかたどった説」、「ひし形は大地をあらわしている説」、「植物・ヒシの実を食べ1000年も生きたという仙人の伝説にあやかってヒシの葉の形を模した説」などなど…。
結局真相はよくわからないものの、いずれにしても大変ありがたく、縁起が良いということはたしか。
ちなみに、飾り終わったひし餅の食べる場合、普通のお餅同様に、焼いたり煮たりして調理すればOK。食べるときには、とがった角の部分をちぎって丸くしながら食べると、角が立たず、円満な関係に恵まれるという、これまた食べ方にも謂れあり。
真偽はともかくも、なんともありがたい説ばかり。せっかくのハレの行事。ここはひとつ、ありがたみを感じながらいただこうじゃありませんか。
(文・団子坂ゆみ/考務店)