離乳食に取り入れられる五感とは?
では、離乳食ではどんなことを意識するといいでしょう?
味覚
食材の素材そのものの味を味わいましょう。食材をだしで煮るとさらに素材が生かされてうまみが出ますよ。
視覚
離乳食の彩り、食器の色や形、食事中の周りの景色、ママの表情など、意識できる視覚はいろいろあります。たとえば離乳食を作るときに、「赤」「白」「黄」「緑」「黒」の5色を入れると、彩りがよくなります。食材で取り入れられないときは食器で取り入れるのもひとつの方法です。また、赤ちゃんはママの表情をよく見ています。ママが笑顔で離乳食に取り組むことで、離乳食の時間がより楽しい時間になります。
触覚
食材の固さ・やわらかさ、温かさ、食器類の触った感覚などです。とくに離乳食では、舌と手で感じる感覚が大切です。離乳食の形状が、その月齢の赤ちゃんの舌にどう感じるかをママも感じてみましょう。また、手で感じる感覚といえば、手づかみ食べ。手づかみ食べは、最初からじょうずには進みません。握りつぶしてグチャグチャしたり、なかなか口に運べなかったりして、食卓の周りは大参事!なんてこともあると思います。でも、この経験を積んでいくことで、赤ちゃんは「豆腐はやさしくつかまなくちゃ」という手(指)の力加減を獲得していくのです。
嗅覚
ママが離乳食を作っているときの香り。うちの子どもは「あ、ボクの好きなおやつを作ってくれてる!」と分かるとキッチンに来て催促をしていました。小学生になった今でも、「なんかおいしい香りがする!」とキッチンをのぞきに来ますよ。子どもはおいしい香りには敏感ですね。
聴覚
ママが離乳食を作っているときの調理の音。大人も音を聞いただけでおいしそうな感覚がしますよね。フロージングしたものを電子レンジで加熱して食べるのも素早く作れていいのですが、たまには下ごしらえをするところから赤ちゃんに聞かせてあげるといいですね。
すべてを取り入れることは難しいと思いますが、頭の隅に五感のことがあるだけで、食事作りや食べるときの雰囲気を意識できるのではないかと思います。
著者:離乳食インストラクター協会代表理事 中田馨
保育士で家庭的保育所経営。一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表。関東と関西中心に、離乳食インストラクター養成講座やママ向けに離乳食講義・料理教室を開催中。「かおりの“和の離乳食レシピ”blog」では1500以上の離乳食レシピを掲載中。
配信: ベビーカレンダー(レシピ)